「グーテンベルク聖書」★★★ 6
~あらすじ~
幻のグーテンベルク聖書の鑑定を断った森羅に怒り、立樹は依頼人のマウを助けようとする。
マウの周りには聖書の行方を追う闇のブローカーやインターポールが現れ――。
~感想~
話の流れから真相はバレバレだが、ちりばめられた伏線のうまさと森羅の仕掛ける策略が見どころ。
今後のストーリー上でも重要な一編である。
「森の精霊」★★★ 6
~あらすじ~
ボルネオの森に住むサダマン。貴重な薬草の知識を持つ彼に接触した、製薬会社の社員が首を斬られ殺された。
しかも被害者は死後に橋を渡る姿を目撃されていた。サダマンと旧知の森羅は調査を依頼されボルネオに飛ぶ。
~感想~
サダマンの雰囲気、言動とあいまってシリアスな空気をブチ壊すバカトリックが素敵。
この作者もこういうバカなトリックを使うんだなとうれしくなるではないか。
~あらすじ~
幻のグーテンベルク聖書の鑑定を断った森羅に怒り、立樹は依頼人のマウを助けようとする。
マウの周りには聖書の行方を追う闇のブローカーやインターポールが現れ――。
~感想~
話の流れから真相はバレバレだが、ちりばめられた伏線のうまさと森羅の仕掛ける策略が見どころ。
今後のストーリー上でも重要な一編である。
「森の精霊」★★★ 6
~あらすじ~
ボルネオの森に住むサダマン。貴重な薬草の知識を持つ彼に接触した、製薬会社の社員が首を斬られ殺された。
しかも被害者は死後に橋を渡る姿を目撃されていた。サダマンと旧知の森羅は調査を依頼されボルネオに飛ぶ。
~感想~
サダマンの雰囲気、言動とあいまってシリアスな空気をブチ壊すバカトリックが素敵。
この作者もこういうバカなトリックを使うんだなとうれしくなるではないか。
~あらすじ~
殺人事件の犯人と疑われた兄が非行に走って以来、家庭崩壊から引きこもりになった馬場由宇。
隣家の若夫婦が子供を虐待していることに気づきやきもきする中、パチンコ店の駐車場に放置された子供を発見し、反射的に家に連れ帰ってしまう。
対処に困り旧友の舞田ひとみを頼った矢先、その子が家から姿を消した――。
~感想~
舞田ひとみシリーズの初長編。あるシリーズ短編の続編的な作品でもあり、そちらも読んでいるとより楽しめる。
↓以下プロット等にネタバレあるため注意↓
いくつもの誘拐事件が重なっていく事件の構図やそこに潜む真犯人の巧緻なトリックは確かに面白いが、すでに「さらわれたい女」や「ガラス張りの誘拐」など誘拐ミステリ(というジャンルが本格ミステリにはあると断言して構うまい)の佳作をいくつもものしている作者だけに、あの歌野晶午があの舞田ひとみシリーズであの誘拐ミステリを!と期待したほどの出来ではなかった。
トリック自体は見事である。犯人が頭脳明晰すぎるとか、細かすぎて「こうしてこうすれば論理的には実現できる」系の、真相の前に推理されがちな、実は真相ではない推理がそのまま正解だったりとか、誘拐ミステリとしてずば抜けた何かを持っていない、とかケチは付けられるが、それは歌野晶午という作家への期待値が高すぎるための贅沢な望みだろう。それよりも問題は本格ミステリとしての物語の構成にある。
事件の真相が明らかとなり、トリックも犯人も暴かれた後に「かなり長めのエピローグ」と題する最終章が実に99ページも残されている。そうなればあの歌野晶午だけに、ここから思いもよらないどんでん返しが、とか逆転の構図が、とか期待してしまうではないか。
しかしエピローグはあくまでエピローグに過ぎず、真相解明のくだりで放置されていた、もう一つの事件の結末が描かれるだけで、そこにはトリックも逆転も何もないどころか、ある種ベッタベタの(しかもそれだけページを割いておきながら物語にしっかりと結末をつけられたわけではなく、その先に待つ結末を暗示したに留まっているのも不満なのだが)顛末が待ち受けている。
ほとんどの本格ミステリ作家ならば、このエピローグに99ページも割くことはないだろうし、全く省略してしまうことも多いだろう。だが作者は真摯に、あるいは余分に物語にエピローグを付け加えた。
歌野晶午ならば、エピローグを数ページで終わらせることができたろう。またはエピローグにも鋭いトリックを潜ませられたろう。結末もきちんと付けられたろう。ひとみが何をどうしたのかも描けたろう。語り手の未来も描けたろう。
だが作者はできたはずのそれらをせず丹念にベッタベタなエピローグを描くだけだった。
こうした優れたミステリで終えられたはずの物語を、台無しにとまでは言わないものの、普通に終わらせないのが凡百の作家に留まらない歌野晶午の特長ではあるものの、それがいつも(たとえば「密室殺人ゲーム王手飛車取り」のように。「世界の終わり、あるいは始まり」のように。「絶望ノート」や「春から夏、やがて冬」や……と枚挙にいとまがない)作品の魅力に、質的向上にはつながっていないのは確かだ。僕はそこに作者の、自身の物語や登場人物に対する真摯さと同時に、限界を感じてしまった。
それは森博嗣の「今はもうない」から借りれば「まったく余分なエピローグ」であった。
13.9.15
評価:★★★ 6
殺人事件の犯人と疑われた兄が非行に走って以来、家庭崩壊から引きこもりになった馬場由宇。
隣家の若夫婦が子供を虐待していることに気づきやきもきする中、パチンコ店の駐車場に放置された子供を発見し、反射的に家に連れ帰ってしまう。
対処に困り旧友の舞田ひとみを頼った矢先、その子が家から姿を消した――。
~感想~
舞田ひとみシリーズの初長編。あるシリーズ短編の続編的な作品でもあり、そちらも読んでいるとより楽しめる。
↓以下プロット等にネタバレあるため注意↓
いくつもの誘拐事件が重なっていく事件の構図やそこに潜む真犯人の巧緻なトリックは確かに面白いが、すでに「さらわれたい女」や「ガラス張りの誘拐」など誘拐ミステリ(というジャンルが本格ミステリにはあると断言して構うまい)の佳作をいくつもものしている作者だけに、あの歌野晶午があの舞田ひとみシリーズであの誘拐ミステリを!と期待したほどの出来ではなかった。
トリック自体は見事である。犯人が頭脳明晰すぎるとか、細かすぎて「こうしてこうすれば論理的には実現できる」系の、真相の前に推理されがちな、実は真相ではない推理がそのまま正解だったりとか、誘拐ミステリとしてずば抜けた何かを持っていない、とかケチは付けられるが、それは歌野晶午という作家への期待値が高すぎるための贅沢な望みだろう。それよりも問題は本格ミステリとしての物語の構成にある。
事件の真相が明らかとなり、トリックも犯人も暴かれた後に「かなり長めのエピローグ」と題する最終章が実に99ページも残されている。そうなればあの歌野晶午だけに、ここから思いもよらないどんでん返しが、とか逆転の構図が、とか期待してしまうではないか。
しかしエピローグはあくまでエピローグに過ぎず、真相解明のくだりで放置されていた、もう一つの事件の結末が描かれるだけで、そこにはトリックも逆転も何もないどころか、ある種ベッタベタの(しかもそれだけページを割いておきながら物語にしっかりと結末をつけられたわけではなく、その先に待つ結末を暗示したに留まっているのも不満なのだが)顛末が待ち受けている。
ほとんどの本格ミステリ作家ならば、このエピローグに99ページも割くことはないだろうし、全く省略してしまうことも多いだろう。だが作者は真摯に、あるいは余分に物語にエピローグを付け加えた。
歌野晶午ならば、エピローグを数ページで終わらせることができたろう。またはエピローグにも鋭いトリックを潜ませられたろう。結末もきちんと付けられたろう。ひとみが何をどうしたのかも描けたろう。語り手の未来も描けたろう。
だが作者はできたはずのそれらをせず丹念にベッタベタなエピローグを描くだけだった。
こうした優れたミステリで終えられたはずの物語を、台無しにとまでは言わないものの、普通に終わらせないのが凡百の作家に留まらない歌野晶午の特長ではあるものの、それがいつも(たとえば「密室殺人ゲーム王手飛車取り」のように。「世界の終わり、あるいは始まり」のように。「絶望ノート」や「春から夏、やがて冬」や……と枚挙にいとまがない)作品の魅力に、質的向上にはつながっていないのは確かだ。僕はそこに作者の、自身の物語や登場人物に対する真摯さと同時に、限界を感じてしまった。
それは森博嗣の「今はもうない」から借りれば「まったく余分なエピローグ」であった。
13.9.15
評価:★★★ 6
「ユダヤの財宝」★★★★ 8
~あらすじ~
遺跡調査員が「ユダヤの財宝を見つけた」と言い遺しローマで殺された。
第三者の調査員として選ばれた森羅は立樹とともにローマへ飛ぶ。
だが事件にはユダヤ人の歴史に絡んだ様々な思惑が渦巻き、さらには十字軍の騎士の亡霊が森羅に襲いかかる。
~感想~
一介の高校生に過ぎない燈馬が主人公の「Q.E.D.」では容易にできない海外編も、「C.M.B.」ではフットワークが軽くいとも簡単に国境を超えてしまう。
指輪の持ち主でその気になればケタ外れの資金を動かせる森羅はともかく、保護者的な立場で立樹も平然とそれに同行するのが強引だが。出席日数とか親とか平気なのか。
それはともかく、今作は「C.M.B.」ならではの設定を活かしたスケールのでかい大風呂敷を広げる一編で、歴史の闇に埋もれたありえたかもしれないエピソードを掘り起こす秀作である。
犯人の隠し方、特定のロジックもなかなか巧みで、ミステリとしての魅力も十分。「C.M.B.」シリーズでも屈指の出来だろう。
~あらすじ~
遺跡調査員が「ユダヤの財宝を見つけた」と言い遺しローマで殺された。
第三者の調査員として選ばれた森羅は立樹とともにローマへ飛ぶ。
だが事件にはユダヤ人の歴史に絡んだ様々な思惑が渦巻き、さらには十字軍の騎士の亡霊が森羅に襲いかかる。
~感想~
一介の高校生に過ぎない燈馬が主人公の「Q.E.D.」では容易にできない海外編も、「C.M.B.」ではフットワークが軽くいとも簡単に国境を超えてしまう。
指輪の持ち主でその気になればケタ外れの資金を動かせる森羅はともかく、保護者的な立場で立樹も平然とそれに同行するのが強引だが。出席日数とか親とか平気なのか。
それはともかく、今作は「C.M.B.」ならではの設定を活かしたスケールのでかい大風呂敷を広げる一編で、歴史の闇に埋もれたありえたかもしれないエピソードを掘り起こす秀作である。
犯人の隠し方、特定のロジックもなかなか巧みで、ミステリとしての魅力も十分。「C.M.B.」シリーズでも屈指の出来だろう。
CSでキングオブコント準決勝を観たので、備忘録代わりに五段階評価とか。
コントのタイトルは適当です。
ピレニーズ「電車の席待ち」 2
アンダーポイント「鳩の記憶力」 2
タモンズ「動物園にパンダが来る」 2
グランジ「爆弾処理」 3
スパイク「誕生祝い」 2
モンスターエンジン「ドラムロール」 2
スパローズ「クズ人間」 3
シロハタ「恋愛模様」 1
クロスバー直撃「伝説の料理人」 2
マヂカルラブリー「ラップバトル」 5
アームストロング「高校野球のインタビュー」 3
巨匠「人吸い瓢箪」 4
アイロンヘッド「寝てる生徒を声で倒す」 1
インポッシブル「腕相撲」 3
ラバーガール「ワンダフルレース」 5
ザンゼンジ「ストーカー」 4
ワルステルダム「老婆の強盗」 2
ジャングルポケット「響かない生徒と響くチンピラ」 2
ザ・ギース「あ行を暗記した外人」 3
本田兄妹「変質者」 3
2700「もずく食べたい」 0
イシクラノオノ「鳥人間コンテスト」 1
パンサー「将来の夢」 3
ラブレターズ「初恋」 5
ジューシーズ「不死身の彼女」 2
アップダウン「うどん職人」 3
サンシャイン「神頼み」 2
バンビーノ「ハグ」 0
わらふぢなるお「隣人」 2
ずん「きょうの料理」 1
3フランシスコ「医者と練習生」 1
GAG少年楽団「披露宴」 3
弾丸ジャッキー「死ぬまでショートコント」 3
犬の心「エロいけど良い部長」 2
ザ・プラン9「取り調べ」 3
ねじ「女子力」 2
和牛「老人のケンカ」 3
チャーミング「マンガ喫茶」 1
しずる「銃の効かない男」 5
シマッシュレコード「オーディション」 3
ニッチェ「貧乏な母子」 1
5GAP「娘さんをください」 1
シソンヌ「お楽しみクジ」 0
日本エレキテル連合「浮気」 4
ツィンテル「三本締め」 2
エネルギー「マクドナルドの狂言師」 1
かまいたち「居酒屋の予約」 2
ジャルジャル「頭おかしいヤツに立ち向かうヤツ」 1
エレキコミック「携帯ショップ」 2
コントのタイトルは適当です。
ピレニーズ「電車の席待ち」 2
アンダーポイント「鳩の記憶力」 2
タモンズ「動物園にパンダが来る」 2
グランジ「爆弾処理」 3
スパイク「誕生祝い」 2
モンスターエンジン「ドラムロール」 2
スパローズ「クズ人間」 3
シロハタ「恋愛模様」 1
クロスバー直撃「伝説の料理人」 2
マヂカルラブリー「ラップバトル」 5
アームストロング「高校野球のインタビュー」 3
巨匠「人吸い瓢箪」 4
アイロンヘッド「寝てる生徒を声で倒す」 1
インポッシブル「腕相撲」 3
ラバーガール「ワンダフルレース」 5
ザンゼンジ「ストーカー」 4
ワルステルダム「老婆の強盗」 2
ジャングルポケット「響かない生徒と響くチンピラ」 2
ザ・ギース「あ行を暗記した外人」 3
本田兄妹「変質者」 3
2700「もずく食べたい」 0
イシクラノオノ「鳥人間コンテスト」 1
パンサー「将来の夢」 3
ラブレターズ「初恋」 5
ジューシーズ「不死身の彼女」 2
アップダウン「うどん職人」 3
サンシャイン「神頼み」 2
バンビーノ「ハグ」 0
わらふぢなるお「隣人」 2
ずん「きょうの料理」 1
3フランシスコ「医者と練習生」 1
GAG少年楽団「披露宴」 3
弾丸ジャッキー「死ぬまでショートコント」 3
犬の心「エロいけど良い部長」 2
ザ・プラン9「取り調べ」 3
ねじ「女子力」 2
和牛「老人のケンカ」 3
チャーミング「マンガ喫茶」 1
しずる「銃の効かない男」 5
シマッシュレコード「オーディション」 3
ニッチェ「貧乏な母子」 1
5GAP「娘さんをください」 1
シソンヌ「お楽しみクジ」 0
日本エレキテル連合「浮気」 4
ツィンテル「三本締め」 2
エネルギー「マクドナルドの狂言師」 1
かまいたち「居酒屋の予約」 2
ジャルジャル「頭おかしいヤツに立ち向かうヤツ」 1
エレキコミック「携帯ショップ」 2
ディーバ王座戦
AJ・リー ◯-× ベイリー
(シャイニングウィザード)防衛成功
AJは一軍のディーバ王者。長い間ただのカワイコチャン(死語)だったが、ヒールターンしメンヘラになってから一気にブレイク。レスリング技術は並だがストーリーに乗ってベルトを手に入れた。昨年来から彼女を中心にストーリーが回っているといって過言ではない。
先週ゲスト出演したAJにベイリー(いまだ未勝利)が絡んだことで組まれた王座戦だが、このようにWWEでは未勝利の新人が相手でも簡単にタイトルが賭けられる。まだ因縁があっただけマシな方である。
試合はサービス精神あふれるAJがベイリーに攻め込ませておいて、必殺技の一発で逆転勝利した。
コナー・オブライエン&リック・ビクター ◯-× マイケル・ザキ&ロン・ヒックス
(オブライエンの水面蹴り+ビクターのドライビングエルボー)
ザキ&ヒックスはこれがデビュー戦。もちろん一方的にやられるだけ。それどころかヒックスは交代すらできず出番がなかった。
一軍昇格したワイアット・ファミリーに代わり、オブライエン&ビクターのアセンションをそのまんま同じ役どころの怪奇派ヒールタッグとしてプッシュするのだろうか。
CJパーカー ◯-× バロン・コービン
(変型DDT)
長らくジョバー役だったパーカーが、カラフルなパンツとドレッドヘアのチャラ男になって再起。それタイラー・レックスで一回失敗してる。
なお激しく滑っているため、試合後に映された客席はドン引きしていた模様。
同じくジョバー役からギミックチェンジで浮上を図るタイラー・ブリーズと抗争するようだが、互いにちょっと顔合わせが早すぎる気が。
ドルフ・ジグラー ◯-× アレクサンダー・ルセフ
(ジグザグ)
ジグラーは世界王座の経験もある一軍のトップレスラー。とてもトップ級の選手のやることとは思えない命知らずのド派手な受け身は一見の価値あり。
ゴルファーのキャディーや応援団員という絶対出世できそうにない酷いギミックを経て(そしてその過去を無かったことにして)ようやくブレイクを果たした苦労人でもあり、今ではヒール、ベビーのどちらでも歓声を浴びている。
対するルセフはブルガリア出身でムエタイの達人、相撲のマワシ状の物をまとい、原人スタイルで雄叫びを上げ、対戦相手の名前が書かれた板を膝蹴りで割るアピールを見せる。盛りすぎにも程があるぞ。
なおこれがデビュー戦とされるが、実は3ヶ月前にバトルロイヤルでデビューしあっさり敗退していることは各自速やかに忘れるように。
試合はサービス精神旺盛なジグラーがルセフの技を片っ端から浴びて、その持ち味を逆アピールしてあげる優しさを見せつつも、最後はきっちり仕留めた。
三本勝負・一本目
アントニオ・セザーロ ×-◯ サミ・ゼイン
(スクールボーイ)
抗争の続く両者が決着をつけるための三本勝負。
一本目はゴング前からゼインが仕掛け、瞬く間に丸め込んで機先を制した。
三本勝負・二本目
アントニオ・セザーロ ◯-× サミ・ゼイン
(スリーパーホールド)
手数とスピードで圧倒するゼインに対し、セザーロは驚異的なパワーで何かといえばゼインをリフトアップしつつ反撃。
締め上げたまま振り回す説得力十分のスリーパーにゼインはたまらずタップした。
それにしてもあんなに逆イケメンだったゼインが日に日に垢抜けていくのは気のせいか。
三本勝負・三本目
アントニオ・セザーロ ◯-× サミ・ゼイン
(ニュートラライザー)
息を吹き返したゼインがキレッキレの動きを見せる。パワーボムをサンセットボムで切り返し、コーナーの中段ロープをすり抜けてのトルネードDDTと、ネットの動画でしか観たことのない美技を連発。
しかしセザーロが負けじとゼインのロープ渡りからのDDTを強引に捕らえると、頭上に高々と放り投げてのアッパーカットで撃墜。ニュートラライザーでとどめを刺した。
観客からは「今年一番の名勝負」チャントが飛ぶほどで、これだけの試合がアメリカではTV中継無しのネット放送のみとは実にもったいない。
実際、次々と新顔が現れ、実験的な技も豊富に飛び出すNXTのほうが、現在のマンネリ状態の一軍より面白い。
AJ・リー ◯-× ベイリー
(シャイニングウィザード)防衛成功
AJは一軍のディーバ王者。長い間ただのカワイコチャン(死語)だったが、ヒールターンしメンヘラになってから一気にブレイク。レスリング技術は並だがストーリーに乗ってベルトを手に入れた。昨年来から彼女を中心にストーリーが回っているといって過言ではない。
先週ゲスト出演したAJにベイリー(いまだ未勝利)が絡んだことで組まれた王座戦だが、このようにWWEでは未勝利の新人が相手でも簡単にタイトルが賭けられる。まだ因縁があっただけマシな方である。
試合はサービス精神あふれるAJがベイリーに攻め込ませておいて、必殺技の一発で逆転勝利した。
コナー・オブライエン&リック・ビクター ◯-× マイケル・ザキ&ロン・ヒックス
(オブライエンの水面蹴り+ビクターのドライビングエルボー)
ザキ&ヒックスはこれがデビュー戦。もちろん一方的にやられるだけ。それどころかヒックスは交代すらできず出番がなかった。
一軍昇格したワイアット・ファミリーに代わり、オブライエン&ビクターのアセンションをそのまんま同じ役どころの怪奇派ヒールタッグとしてプッシュするのだろうか。
CJパーカー ◯-× バロン・コービン
(変型DDT)
長らくジョバー役だったパーカーが、カラフルなパンツとドレッドヘアのチャラ男になって再起。それタイラー・レックスで一回失敗してる。
なお激しく滑っているため、試合後に映された客席はドン引きしていた模様。
同じくジョバー役からギミックチェンジで浮上を図るタイラー・ブリーズと抗争するようだが、互いにちょっと顔合わせが早すぎる気が。
ドルフ・ジグラー ◯-× アレクサンダー・ルセフ
(ジグザグ)
ジグラーは世界王座の経験もある一軍のトップレスラー。とてもトップ級の選手のやることとは思えない命知らずのド派手な受け身は一見の価値あり。
ゴルファーのキャディーや応援団員という絶対出世できそうにない酷いギミックを経て(そしてその過去を無かったことにして)ようやくブレイクを果たした苦労人でもあり、今ではヒール、ベビーのどちらでも歓声を浴びている。
対するルセフはブルガリア出身でムエタイの達人、相撲のマワシ状の物をまとい、原人スタイルで雄叫びを上げ、対戦相手の名前が書かれた板を膝蹴りで割るアピールを見せる。盛りすぎにも程があるぞ。
なおこれがデビュー戦とされるが、実は3ヶ月前にバトルロイヤルでデビューしあっさり敗退していることは各自速やかに忘れるように。
試合はサービス精神旺盛なジグラーがルセフの技を片っ端から浴びて、その持ち味を逆アピールしてあげる優しさを見せつつも、最後はきっちり仕留めた。
三本勝負・一本目
アントニオ・セザーロ ×-◯ サミ・ゼイン
(スクールボーイ)
抗争の続く両者が決着をつけるための三本勝負。
一本目はゴング前からゼインが仕掛け、瞬く間に丸め込んで機先を制した。
三本勝負・二本目
アントニオ・セザーロ ◯-× サミ・ゼイン
(スリーパーホールド)
手数とスピードで圧倒するゼインに対し、セザーロは驚異的なパワーで何かといえばゼインをリフトアップしつつ反撃。
締め上げたまま振り回す説得力十分のスリーパーにゼインはたまらずタップした。
それにしてもあんなに逆イケメンだったゼインが日に日に垢抜けていくのは気のせいか。
三本勝負・三本目
アントニオ・セザーロ ◯-× サミ・ゼイン
(ニュートラライザー)
息を吹き返したゼインがキレッキレの動きを見せる。パワーボムをサンセットボムで切り返し、コーナーの中段ロープをすり抜けてのトルネードDDTと、ネットの動画でしか観たことのない美技を連発。
しかしセザーロが負けじとゼインのロープ渡りからのDDTを強引に捕らえると、頭上に高々と放り投げてのアッパーカットで撃墜。ニュートラライザーでとどめを刺した。
観客からは「今年一番の名勝負」チャントが飛ぶほどで、これだけの試合がアメリカではTV中継無しのネット放送のみとは実にもったいない。
実際、次々と新顔が現れ、実験的な技も豊富に飛び出すNXTのほうが、現在のマンネリ状態の一軍より面白い。
「失われたレリーフ」★ 2
~あらすじ~
森羅の持つ3つの指輪を奪うため、勝負を挑むベントレー。
一部が欠けた古代アステカのレリーフ。その失われた部分に描かれていたものは何か? 勝負を飲んだ森羅はベントレーの罠に掛かったのか?
~感想~
出題された時点で答えがモロバレ状態。そりゃ指輪もらえないわベントレー……。
前・後編にわたって引っ張るネタではないが、指輪の意義と森羅がそれを得た背景を描くことでなんとか形を作れたか。
しかしあまりにも真相が弱すぎるためミステリ的に大減点としこの点数で。
「都市伝説」★★ 4
~あらすじ~
森羅たちの通う高校に流れる、死体にまつわる3つの都市伝説。
噂を流しているらしき楽器店の店主を尾行すると、奇妙な行動をとっていて……。
~感想~
怪奇味あふれる物語が脱力の真相にたどり着く。その動機は非常に回りくどくちょっと現実味に欠けすぎるような。
だがそれよりも見るべきは森羅の成長譚としての側面だろう。なかなかのジャイアニズムを持つ「Q.E.D.」の可奈とは異なる立樹のキャラが確立してきて、森羅にとっての正しく健全な年長者としての存在感が光る。一巻の頃の大人びていた森羅が話が進むごとにどんどん幼くなっている気もするのだが。
~あらすじ~
森羅の持つ3つの指輪を奪うため、勝負を挑むベントレー。
一部が欠けた古代アステカのレリーフ。その失われた部分に描かれていたものは何か? 勝負を飲んだ森羅はベントレーの罠に掛かったのか?
~感想~
出題された時点で答えがモロバレ状態。そりゃ指輪もらえないわベントレー……。
前・後編にわたって引っ張るネタではないが、指輪の意義と森羅がそれを得た背景を描くことでなんとか形を作れたか。
しかしあまりにも真相が弱すぎるためミステリ的に大減点としこの点数で。
「都市伝説」★★ 4
~あらすじ~
森羅たちの通う高校に流れる、死体にまつわる3つの都市伝説。
噂を流しているらしき楽器店の店主を尾行すると、奇妙な行動をとっていて……。
~感想~
怪奇味あふれる物語が脱力の真相にたどり着く。その動機は非常に回りくどくちょっと現実味に欠けすぎるような。
だがそれよりも見るべきは森羅の成長譚としての側面だろう。なかなかのジャイアニズムを持つ「Q.E.D.」の可奈とは異なる立樹のキャラが確立してきて、森羅にとっての正しく健全な年長者としての存在感が光る。一巻の頃の大人びていた森羅が話が進むごとにどんどん幼くなっている気もするのだが。
「青いビル」★★★ 6
~あらすじ~
壁を青く塗られた団地の住人が石をぶつけられた。警察に「犯人は一番下の階の右側の住人」と告発する投書が届くが、その部屋に住人はいなかった。
~感想~
トリックはとある雑学を元にした小さなものだが、投書の主を特定する過程がトリックへ、事件の解明へとつながる流れがうまい。
こうして読み返してみると最初からトリックは弱いのだが、この頃は見せ方が巧みでそれを感じさせなかったのだなと思う。
「呪いの面」★★★ 6
~あらすじ~
持ち主を呪い殺すと噂される能面。それぞれの理由からその面を求める人々が集まる中、作者の面打ちが密室で死んだ。
森羅は言う。「呪いは存在します。あの面には本当に死の呪いがかけられている」
~感想~
これも密室トリックはただの雑学レベル。しかし森羅が言う「呪い」の真意と事件の構図が見事で、佳作に引き上げられた。
少しずつ掘り下げられていく森羅のキャラも物語を牽引する力があり、シリーズの滑り出しは成功している。
あと余談だが作中の立樹の言動と表紙の絵が全く一致していなくて吹いた。
~あらすじ~
壁を青く塗られた団地の住人が石をぶつけられた。警察に「犯人は一番下の階の右側の住人」と告発する投書が届くが、その部屋に住人はいなかった。
~感想~
トリックはとある雑学を元にした小さなものだが、投書の主を特定する過程がトリックへ、事件の解明へとつながる流れがうまい。
こうして読み返してみると最初からトリックは弱いのだが、この頃は見せ方が巧みでそれを感じさせなかったのだなと思う。
「呪いの面」★★★ 6
~あらすじ~
持ち主を呪い殺すと噂される能面。それぞれの理由からその面を求める人々が集まる中、作者の面打ちが密室で死んだ。
森羅は言う。「呪いは存在します。あの面には本当に死の呪いがかけられている」
~感想~
これも密室トリックはただの雑学レベル。しかし森羅が言う「呪い」の真意と事件の構図が見事で、佳作に引き上げられた。
少しずつ掘り下げられていく森羅のキャラも物語を牽引する力があり、シリーズの滑り出しは成功している。
あと余談だが作中の立樹の言動と表紙の絵が全く一致していなくて吹いた。
傑作ミステリマンガ「Q.E.D.証明終了」で知られる作者のもう一つのミステリシリーズ。
大英帝国の三賢者の末裔として認められた天才少年・榊森羅が探偵役。博物学などの知識は学者顔負けながら、一般常識がごっそり抜け落ちている彼の破天荒なキャラと、博物学や考古学など多岐にわたったウンチクやそれにまつわる奇妙な事件を扱い、「Q.E.D.」と差別化を図っている。
巻が進むにつれ、「Q.E.D.」で扱えないような小ネタ程度のトリックと、珍しい豆知識を組み合わせて手軽に作られた短編が増えていくのだが、それでも耳慣れない珍しい知識で興味を引くには十分。これはこれで魅力的な作品である。
「Q.E.D.」28巻でこのシリーズとクロスオーバーを果たすため、それまでは集中的に「C.M.B.」の感想を書いていく予定。
「擬態」★★★ 6
~あらすじ~
昆虫のコレクターとしても知られる教師が失踪し、後には人体発火現象で焼け死んだとしか思えない死体が残された。
友人のため事件に首を突っ込むことにした女子高生・七瀬立樹は、謎めいた博学な少年・榊森羅と出会う。
驚異的な推理力で事件の真相を見抜いた森羅は言う。
「これから先は入館料が必要となります。払ってくれれば驚異の部屋(ヴァンダー・カンマー)をご案内します」
~感想~
というわけで第一話。「Q.E.D.」と比べればミステリ的に弱いと書いたが、そこはさすがにシリーズの開幕だけあり、ミステリ的にもおいしい事件と鋭いトリックが用意されている。
森羅のキャラと彼の背景を描くだけでも取れ高は十分。立樹は「Q.E.D.」の可奈とほとんど違いがない気がするが。
「幽霊博物館」★★★ 6
~あらすじ~
深夜の博物館に響き渡る壁を叩く音や人の泣き声。それは空襲で亡くなった人々の無念の叫びか、それとも……?
さらに事務所では盗難事件が発生し、立樹の知り合いの警備員が疑われてしまう。
~感想~
まるで場違いな感もある盗難トリックや、博物学の小ネタを組み合わせて一つの事件を型作り、最後の最後に大胆な真相が待ち受ける。
その意外性は面白かったが、盗難事件の小ネタさ加減と、絶対気づきそうな無茶な糸細工には吹かざるをえない。
大英帝国の三賢者の末裔として認められた天才少年・榊森羅が探偵役。博物学などの知識は学者顔負けながら、一般常識がごっそり抜け落ちている彼の破天荒なキャラと、博物学や考古学など多岐にわたったウンチクやそれにまつわる奇妙な事件を扱い、「Q.E.D.」と差別化を図っている。
巻が進むにつれ、「Q.E.D.」で扱えないような小ネタ程度のトリックと、珍しい豆知識を組み合わせて手軽に作られた短編が増えていくのだが、それでも耳慣れない珍しい知識で興味を引くには十分。これはこれで魅力的な作品である。
「Q.E.D.」28巻でこのシリーズとクロスオーバーを果たすため、それまでは集中的に「C.M.B.」の感想を書いていく予定。
「擬態」★★★ 6
~あらすじ~
昆虫のコレクターとしても知られる教師が失踪し、後には人体発火現象で焼け死んだとしか思えない死体が残された。
友人のため事件に首を突っ込むことにした女子高生・七瀬立樹は、謎めいた博学な少年・榊森羅と出会う。
驚異的な推理力で事件の真相を見抜いた森羅は言う。
「これから先は入館料が必要となります。払ってくれれば驚異の部屋(ヴァンダー・カンマー)をご案内します」
~感想~
というわけで第一話。「Q.E.D.」と比べればミステリ的に弱いと書いたが、そこはさすがにシリーズの開幕だけあり、ミステリ的にもおいしい事件と鋭いトリックが用意されている。
森羅のキャラと彼の背景を描くだけでも取れ高は十分。立樹は「Q.E.D.」の可奈とほとんど違いがない気がするが。
「幽霊博物館」★★★ 6
~あらすじ~
深夜の博物館に響き渡る壁を叩く音や人の泣き声。それは空襲で亡くなった人々の無念の叫びか、それとも……?
さらに事務所では盗難事件が発生し、立樹の知り合いの警備員が疑われてしまう。
~感想~
まるで場違いな感もある盗難トリックや、博物学の小ネタを組み合わせて一つの事件を型作り、最後の最後に大胆な真相が待ち受ける。
その意外性は面白かったが、盗難事件の小ネタさ加減と、絶対気づきそうな無茶な糸細工には吹かざるをえない。