小金沢ライブラリー

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先々々々々々週のNXT #194

2013年12月21日 | 今週のNXT
アレクサンダー・ルセフ ◯-× シルベスター・ルフォール
(アコレード秒殺)

ルフォールから独立したルセフがラナという名前だと判明した美女とともに登場。
ルフォールは札束をちらつかせて買収を試みるが、お金という概念を知らないブルガリアの野獣ルセフはそれを無視してルフォールを秒殺した。


エル・ローカル ×-◯ レオ・クルーガー
(Wアンダーフック・サブミッション)

今日のローカルの中の人はリカルド・ロドリゲス。
クルーガーが一方的にいたぶる展開で、スライス(wikiにはランニング掌打と書かれているがどう見てもクローズライン)からクリス・ベノワ風のスナップ・スープレックスを三連発しサブミッションで仕留めた。
技名は実況の言う通りにしたが、何か固有名称があった気がする。


コナー・オブライエン&リック・ビクター ◯-× トラビス・タイラー&トロイ・マクレイン
(フォール・オブ・メン)

アセンションのスカッシュマッチ。タイラーを交代させることなく二人で代わる代わる痛めつけ、必殺のツープラトンからビクターがフォールを奪った。
初登場のマクレインは何しに出てきたのだろう。


モジョ・ローリー ◯-× タイ・ディリンジャー
(ジャンピング・ヒッププレス)

落ち着きのないモジョが巨体を揺らして跳ね回り、観客と触れ合いながら入場。
しかしデビュー戦と同じく前半戦は初登場のディリンジャーに攻め込まれる。追い込み脚質なのか。
反撃に転じると前回と全く同じ展開でディリンジャーを押しつぶし快勝した。試合後には天井からドライアイスが降り注ぎ、個性化を図る。


カシアス・オーノ ×-◯ ルーク・ハーパー
(ローリングクローズライン)

先日解雇されたオーノの勇姿が見られるのはあと数試合か。干されている間にだいぶ筋トレしたようで、日本レスラーの体型だった腹回りが引き締まっている。逆に肩幅は貧相になったが。
長いだけで盛り上がらない試合展開に上層部がイライラする中、オーノは10分過ぎにようやく波状攻撃に乗り出す。
しかし強烈な打撃の打ち合いの末に必殺技を被弾してフォール負け。WWEは水が合わなかった。また日本に帰っておいで。
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ミステリ感想-『死美女の誘惑』丸山天寿

2013年12月20日 | ミステリ感想
~あらすじ~
死んだはずの巫医・佳人が琅邪の街に帰ってきた。
男を誘う死美女、夢の中から呼ぶ夢美女、男を水中に引きずり込む狐美女、空を舞う飛美女、人に化け嫁入りする蛇美女――。
佳人と時を同じくして次々と現れる美女の化生たちが起こす怪事件。女たらしで妖艶な美青年・佳人が解決に挑む。


~感想~
メフィスト賞を受賞したシリーズの番外編で初の短編集。ここ2年は年間一作限りと停滞しているが、まだシリーズを続ける意欲はあるようで安心した。
舞台は秦の始皇帝の時代だけに、妖怪変化や超常現象がなんのてらいもなしに登場する。だが事件の謎はこれまでの作品同様に論理的に解かれ、おなじみのシリーズキャラも次々と顔を出してくれるので、作者のファンならばぜひ読むべき。
作者いわく「エロチックミステリー」らしいが、確かに題材には多くの性癖が採り上げられるし、探偵役の佳人は女でさえあれば年齢も容姿も種族も問わない豪傑で、相手構わずねんごろになるものの、エロ描写は簡単にしか描かれないのでそういった期待はあまり持たないほうがいいだろう。
この作品がシリーズ中でどこに位置づけされるのかまだ不明で、本作には登場しないある重要人物と設定が著しく重なるキャラの過去もわからずじまいと、早くシリーズの再開が待たれる。


13.12.18
評価:★★☆ 5
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先々々々々々々週のNXT #193

2013年12月19日 | 今週のNXT
エンツォ・アモーレ&コリン・キャサディ ×-◯ シルベスター・ルフォール&アレクサンダー・ルセフ
(アコレード)

ルセフと組んでいたスコット・ドーソンは故障で長期欠場へ。今夜はルセフ組のマネージャーを務めていたルフォールがリングデビュー。
しかしルセフは一人でアモーレ組を一掃すると、ルフォールにまで襲いかかってしまう。
そしてキャサディからタップを奪うと先週の試合中に現れた謎の美女とともに悠々と去っていった。


エイダン・イングリッシュ ◯-× ジェイソン・ジョーダン
(変型サイドエフェクト)

プッシュ中のイングリッシュは子守唄を歌いながらスリーパーホールドを仕掛け、試合後にはアンコールに応えて美声を披露し、薔薇を投げ込まれるなどさらにキャラに磨きをかける。
簡単にやられたジョーダンも体格に恵まれバネもあり、アマレス仕込みのパワーも十分なのだが。


ペイジ ◯-× サマー・レイ
(ペイジ・ターナー)

今夜は実況のくせにろくにプロレス知識がなくDDTとブルドッキングヘッドロックの区別もつかなかったトニー・ドーソンが退団したため、バイロン・サクストンが実況を務める。
サクストンはもともとレスラーで、NXTの旧シーズンではヨシ・タツの弟子役として活動していたが、結局レスラーではなく裏方として採用された。団体に残れただけ良かったのだろう。
なお解説はウィリアム・リーガル卿、ゲストにWWEでは異例の女子解説として期待されるルネ・ヤングが入っている。
試合はサマーのセコンドのサーシャ・バンクスが介入を咎められて退場させられ、一対一の戦いに。
スピード感のないチンタラした攻防から例によって雑な必殺技でペイジが勝利するが、サーシャが戻ってきて襲撃される。
エマが救援に駆けつけて事なきを得るも、エマは背後に立ったペイジをサマーと間違えて殴ってしまい、険悪な雰囲気になった。


CJパーカー ◯-× タイラー・ブリーズ
(アッパーカット)

先週、CM中の出来事だったのでカットされていたが、ブリーズは携帯を取り返したついでにパーカーの髪を切っていた模様。だからなぜCM中にやる。
怒れるパーカーは普段の陽気さを封印してラフファイトで攻めるも、観客はキャラの強いブリーズを支持。ゴージャスな(自称)顔を攻撃されることを恐れるブリーズは顔をかばうせいで劣勢に陥るが、隙を突いて反撃すると、逆にパーカーの顔を執拗に攻める。
だがパーカーはたぶんボー・ダラスを応援していた女と同一人物の黄色い声援を浴びて気力を奮い立たせると、おちゃらけたアッパーカットでフォールを奪った。
そしてパーカーは報復にブリーズの髪を切ろうとするが、観客のブーイングで目を覚ましたブリーズは辛くも逃げ延びた。ブリーズの人気はなかなかのものだ。
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ミステリ感想-『去年の冬、きみと別れ』中村文則

2013年12月18日 | ミステリ感想
~あらすじ~
二人の女性を焼き殺した罪で投獄されたカメラマン・木原坂雄大。
編集者の依頼で彼の本を出すことになった僕は、取材のために面会する。
木原坂は言う。「僕の中の何かが、きみの中に入ってしまうかもしれない。これから死刑になる僕が、きみの中で生き続けるように。……平気なのか?」
2013このミス15位、文春8位。


~感想~
カバーに書かれた「芥川賞、大江健三郎賞、LAタイムズ文学賞最終候補、ウォール・ストリート・ジャーナル2012年ベスト10小説」という仰々しい経歴からして純文学畑の作家のようだが(こんな大物をようだが扱いしている時点でやはり自分は読書家ではない)本作に限って言えば、まぎれもないド本格ミステリである。
登場人物は9割が変態だ。初対面の相手に「さっきお茶を運んできた女は未亡人で僕と定期的にセックスしてます」と謎のカミングアウトをする人形師や、初対面の相手に「あなたの質問はつまらない」とのたまう元ストーカー、初対面の相手に「私は今から向こうの寝室で着替えるけど抱く?」と挑発し手コキしてくれるアラフォー女と、初見殺しが目白押し。
きわめて平易で静かな文体には好感も、変態祭りと豊富なエロ描写、200ページにも満たず1ページあたりの文章量もすっかすかなのに無駄な比喩とスターオーシャンセカンドストーリーを彷彿させる「……」の連発と「これだから純文学は!」と辟易しかけたところに、解決編が始まるや序盤の展開からは想像だにしなかった怒涛のどんでん返しが重なり、唖然とさせられた。

その激しさたるや今年これ以上に大掛かりなどんでん返しを仕組んだ作品が他にあったろうかと思うほどで、作者が純文学系でなければ、もっと各種ランキングで票を集められたろうにと惜しまれる。
伏線やフェアプレー精神、本格ならではの遊び心も十分で、本の薄さも終わってみればよくぞこれだけの分量に収められたと逆に感心させられる。
作者にはぜひともこういったミステリミステリした作品をまた書いてもらいたいものだ。


13.12.16
評価:★★★★ 8
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明日締め切りだと思ってたわ

2013年12月17日 | お笑い
悪癖が再発したんで投稿予定だったボケをここに1つ置いときます。



画像で一言。


下半身裸だからできる取材
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ミステリ感想-『問題物件』大倉崇裕

2013年12月16日 | ミステリ感想
~あらすじ~
大島不動産販売の次期社長に目される大島雅弘は難病と派閥争いに苦しめられていた。
彼の世話役の新入社員・若宮恵美子は雅弘を含め3人きりの部署へ異動させられ、無茶なクレーム処理を押し付けられる。
「居座られた部屋」「借りると必ず死ぬ部屋」「ゴミだらけの部屋」……失敗すれば雅弘も恵美子も社を追われてしまう。
数々の問題物件を相手に途方に暮れる恵美子の前に現れた自称探偵・犬頭光太郎は言う。
「おまえは人間にしては見所がある」「は? 人間?」「雅弘を頼むぞ」


~感想~
本格ミステリにおいて斬新なトリックや鋭いロジックとともに作者に求められるのは、いかにして事件を解決させるかという問題である。
多くの作家が頭を悩ませ、また腕の見せどころであるその問題に本作は明快かつ強引な回答をした。それが前代未聞(?)の探偵(?)犬頭だ。
この犬頭(いぬがしら)探偵、一言で言えば超人である。そのチートっぷりたるやかの榎木津礼二郎がかわいく見えるどころか、地上戦ならばスーパーマンともタイマン張れそうなスペックで(注:スーパーマンの眼球に当たった銃弾は粉々になります)神出鬼没に現れては腕力と気合と超能力で証拠を集め、強引に事件を解決してしまう。
珍妙な名前と表紙のイラストのせいで、読者の脳内ではアヌビス神が「犬と人間の境目を見せてあげよう」と暴れ回る光景が描かれてしまうこと請け合いだ。

設定はこのように本格でもミステリでも何でもない破綻ぶりだが、数々の問題物件を成立させる様相は意外とミステリしていて、ラストの「誰もいない部屋」などは泡坂妻夫の某傑作短編(見当のついた方だけネタバレ→)紳士の園  を想起させる顛倒した論理が光る。
ほとんど出落ちのコントさながらの一発ネタながら、シリーズ物の多い作者だけにまさかの続編はあるのだろうか。


13.12.15
評価:★★★ 6
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使徒襲来

2013年12月15日 | 拾い物
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ミステリ感想-『祈りの幕が下りる時』東野圭吾

2013年12月14日 | ミステリ感想
~あらすじ~
葛飾のアパートの一室で発見された女性の死体。部屋の持ち主は名前以外は何もわからず行方不明、滋賀から上京してきた被害者も、旧友を訪ねた後になぜ素性もわからぬ男の家に上がり込み殺されたのか。
犯人と被害者をつなぐ手掛かりを探し求めるうち、事件のそこかしこに加賀恭一郎刑事の関係者が浮かび上がる。
はたして加賀の過去が事件の鍵を握っているのか?
2013年このミス10位、文春2位。


~感想~
近年の東野作品に多い、そのまま2時間ドラマか映画にできそうなプロットながら、そこは流石の東野圭吾。刑事が丹念に聞き込みをし、被疑者が独白するだけの400ページ弱を一気に読ませてしまう。
捜査の過程で現れる事実、一つ一つつながっていく証拠、中盤で暗礁に乗り上げるも、些細な気付きから全く違った側面を見せ始める事件の様相と、きわめて類型的な、ごくごくありふれた刑事物で、もちろん構図を一変させるどんでん返しや意外な真相、二組の親子の形を描いた、加賀恭一郎シリーズとしての見どころや進展もあるのだが、これだけ面白く見せられるのはひとえに作者の筆力による所が大きいだろう。

しかしこれは最上の褒め言葉だと前置きしておいてから言うが、毎年毎年この程度の東野作品をいちいちランクインさせていたら切りがないのではなかろうか。
してみると東野作品が何位にランクインするかで、その年のミステリ全体の質が測れるのではと思ってもみたり。


13.12.13
評価:★★★☆ 7
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2013文春ランキングについてなんやかや

2013年12月13日 | ミステリ界隈
01.「教場」長岡弘樹
02.「祈りの幕が下りる時」東野圭吾
03.「ノックス・マシン」法月綸太郎
04.「検察側の罪人」雫井脩介
05.「死神の浮力」伊坂幸太郎
06.「冷血」高村薫
07.「リバーサイド・チルドレン」梓崎優
08.「去年の冬、きみと別れ」中村文則
09.「代官山コールドケース」佐々木譲
10.「夢幻花」東野圭吾


このミスから文学っぽいものを選んでちょちょいと順位を入れ替え、このミスランキングに入らなかった東野作品を入れれば文春ランキングの出来上がり。
乱歩賞はとりあえず2位、折原一はとりあえずランクインの頃よりは健全だが、毎年思う通り文春ランキングはもうその役割を終えている。
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ミステリ感想-『美人薄命』深水黎一郎

2013年12月12日 | ミステリ感想
~あらすじ~
大学の単位取得のため独居老人宅への給食宅配のボランティアに励む礒田総司は、ユーモアあふれる隻眼の老婆・内海カエに出会う。
戦争に人生を狂わされ、意中の人と添い遂げられなかった彼女の語る壮絶な過去に、いつしか総司は深い感銘を受ける。
だがその過去には総司の人生も一変させるある秘密が隠されていた。


~感想~
まず帯に書かれた宣伝文句のだいたいは嘘、とまでは言わないが大袈裟かつまぎらわしいので、購入時には要注意。
老人たちや脇を固めるキャラや、終盤にひょっこり現れる探偵役はいささか類型的ながら、ネットスラングも交えた語り口は軽快。このあたりはもともと芸術を題材にした作品をいくつもものし、予備知識の無い読者をも引きつけてきた腕が冴える。
なかでも中盤で明かされる「彼女」のもう笑うしかないようなキャラの濃さには呆気にとられた。どんだけ設定盛ってるんだお前は。

そしてなんといっても眼目は内海カエの過去に隠されたある秘密である。章の合間に旧字体で描かれてきた壮絶な過去が、ある事件をきっかけに物語を反転させつつ、巧みな仕掛けへと一変するのは見事。そのまま終わったら妄想乙になってしまう話を最後の最後にもう一度ひっくり返すのも心憎い。
大筋から結末までベタといえばベタなのだが、忘れ得ぬ物語であるのは確か。芸術物やロジックだけではない作者の実力がいかんなく発揮された、現在の代表作に挙げられるだろう良作である。


13.12.9
評価:★★★★ 8
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