血税をミイラの化粧に使うことは許されない。
今朝の新聞各紙、それに夕方のNHKニュースで日航の再建が法的整理で行われることに決まりつつある、と伝えている。
企業再生支援機構が行うのだが、この「再生」というのがそもそも間違いである。再生というのは医療行為だが、日航に必要なのは医療ではない、再生ではない。解散解体作業である。必要なのは医者ではない。屠者である。葬儀屋である。
植物状態の人間に無尽蔵の金をつぎ込んで生命維持を半永久的にしようとするものである。
前に、ここでも書いたが、そんなことをすれば一兆円は国民の税金がかかる。ところで今朝の産経だったか法的整理でもつぎ込まなければならない国費は一兆三千億円だそうだ。(オイラの試算はよくあたるね)
二年でゾンビみたいに再生するという甘い期待(根拠のない期待)に基づいている。二、三年でうまくいくわけがない。絵にかいた餅が失敗すればまた一兆円以上の国費を投入だ。
いったい、いくつ八ツ場ダムが作れるかね。子供手当がいくら増やせるかね。母親からもらったお小遣いの額も認識できな親分のもとでの政権である。無理もない話だが。
& ここですこし相手の話に乗って(ペースにのって)考えてみよう。
夜9時のNHKニュースで鳩山首相、「飛行機を飛ばしながらどうして日航を再生していくことが大切」云々。
前原誠司国交相もしばしば同様の趣旨のことを言う。おかしくないか。
日航は全身麻酔をかけられて死ぬか生きるかの大手術を受けなければならない。こういう時に鳩山、前原両氏の言うことは集中治療室で大手術を受けながら同時に朝9時から夕方5時まで会社に出勤しろと言うに等しい。
これだけの大手術をするなら飛行機の運航を相当期間停止しなければ無理なことは自明なことではないか。
& 人の意見に乗っかって、その2
アメリカでも法的整理をしながら運航を継続し維持した例ががあるからと言って、政府の政策(まとまろうとしている政策)を擁護する評論家がいる。
そういう議論をするなら、アメリカの具体的な例をつぶさに説明してかつ日本航空に適用出来る同種の状況にあったことを説得しなければならない。
債務超過の程度はどの程度であったのか、企業病理に相違はないのか、対策に乗り出したタイミングは、など。日航の場合は早期治療の段階をとっくに過ぎている。アメリカの例と言うのはどうだったのか。
かって、アメリカのフラッグ・キャリアというのみではなく、世界の航空会社の代表のような会社にパン・アメリカン航空というのがあった。破産したが企業としてサルベージされたという話はきかない。
大体、競争力が弱くて破綻した会社の競争力を増す手段と言うのはどの業界でも、どの国でも強い会社に吸収合併されて企業体力を強化し、競争力を増すのが常道である。日本でも、銀行などの歴史はそれの連続ではないか。
弱い体質の会社をそのままにして、劣弱な業界地図を改善しないで、膨大な税金をつぎ込むことが許されるのか。
&& 泥棒に追い銭という言葉がある。ミイラに追い化粧はしたくないものである。世界の物笑いになる。もっとも納棺師なら許されるのかな。
企業再生支援機構の諸君、送り人となりたまえ。