東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

「日英同盟」 と第一次世界大戦

2015-09-13 07:35:22 | 安全保障
第一次世界大戦での日本の協力は多岐多数にわたる。これらについて欧米の反応、マスコミ論調を平間洋一氏が羅列している。こう言うことは箇条書きにするか、年表にしてもらいたい。ここでは読後の記憶で述べる。わずか250頁の本であるから読み返して確認すればいいのだろうが、読み返す気がしない記述なので、平間氏には申し訳ないが。

一般にも(どういう意味で「一般にも」というかも縷説しなければならないのだろうが、はしょって)、地中海に派遣した日本艦隊の突出した活躍だけが言及されるのが常である(日本国内では)。しかし平間氏によると、イギリスからの協力要請は無数にあり、それらはいずれも重要な作戦だったようである。これらが日本のほかの著書には載っていないのは問題と言わなければならない。

さて、これらの協力に対してイギリスの反応(主としてマスコミ)はどうであったか。第一に感謝、賛辞があるのは当然であるが、ネガティヴなものも多い。
いわく、いちいち、協力の対価を求めてくる。たとえば、南洋のドイツ領を攻撃占領したら、戦後処理の国際会議で日本の領土に編入することを約束せよ、など。

これはむりもない。日清戦争の三国干渉、日露戦争のアメリカのお為ごかしの講和仲裁により戦後の協定では欧州寄りの結論を飲まされた日本としては作戦開始前にこのような要求をするのは、いわば、経験から得た知恵である。二度と煮え湯を飲まされないための用心である。日本国内の不満沸騰を避けるための当然の措置である。

また、欧州が戦争で苦しんでいるのに日本は貿易で利益追求している。だから協力に後ろ向きだ、という。これなどやっかみに過ぎないのではないか。ま、これら二つの世論の潮流がイギリスの中でも定着したことを留意することが今後の展開を見る上で必要であろう。


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