そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ニルス・クリスティをご存知でしょうか?

2009-11-04 | 死刑

先日、NHKの未来への提言で「犯罪学者ニルス・クリスティ~囚人に優しい国からの報告~」という番組がありました。

世界での多くの国が、犯罪者に対する厳罰化が加速されています。日本でも、オウム真理教のサリン事件辺りから厳罰化が加速される傾向にあります。アメリカでも19802年代から、凶悪事件が急増する傾向にあり、メディアが扇動し犯罪者憎しとする、被害者感情に立ちより一層厳罰化へと進んでいます。

その結果、収監者は増加し刑務所環境は劣悪な状態になっています。刑罰の本来の目的である受刑者の更生どころか、アメリカでは再犯者が半数以上になっています。

アメリカとロシアの収監者の数は信じられない人数になっている。とくにアメリカでは国民1000人に1人が収監されている状況です。これが行政の財政負担にもなっています。また社会不安にもなっています。

ノールウェイでも、1960年代までは厳罰化によって犯罪者は増えました。1970年代になり、犯罪者を隔離し懲罰を加える目的から、受刑者の社会更正を最大の目的に転換させました。衣食住もほとんど外界と変わらず、受刑者同士もほとんど自由に会話でき、隔離も最小限で時折帰宅もできますし、苦痛を与えることはありません。

<wrap type="square"></wrap>こうした「犯罪者にやさしくする」ことで、再犯はもちろん軽犯罪は激減しているとのことです。犯罪者を社会から隔離せず、懲罰的な収監を見直すことを提案したのがオスロ大学教授の犯罪学者ニルス・クリスティ氏です。犯罪者にモンスターはいない。「すべての人間は人間である」と言ってはばかりません。

多くの国が死刑を見直しています。20年前は100カ国以上あった死刑制度を持つ国も、現在は24カ国になっています。日本やアメリカなどはこれに逆行しています。マスコミが被害者同情を煽る報道をし、応報感情から厳罰化に向かっているように思えます。量刑は犯罪者に対する報復ではないのです。厳罰化は社会への厚生が一層遠のくばかりか、社会不安にもつながり財政負担にもなります。

コメント (1)
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