そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

同盟関係とは何か

2009-11-16 | 平和憲法

サンデープロジェクトで、石破茂前農水大臣が「同盟関係とは軍事同盟のことである」と何度も、民主党の副大臣に食ってかかった。普天間を巡る、民主党の足並みが揃わないのを付け込んだ発言である。多分に政治的で意図的なひっかけ発言であるが、どうもこれは見逃せない。

Photo受けた民主党の、なんとかという人の良さそうな副大臣はたじたじであった。日米同盟は、軍事同盟であると規定して、論理を展開するのである。この石破茂は、農業畑の男であるが、軍事 オタクで知られている。これを小泉が取り上げて、新進党などを渡り歩いたこの男を防衛長官に任命した。大臣室を軍艦や戦闘機のプラモデルでいっぱいにした、ある意味単純な軍事オタクである。

石破の発言は、日米安保条約を念頭に置いた論議であるが、日米安保条約は冷戦時代の遺物である。来年度で改訂から50年も経ち、当時とは大きく時代が異なっている。安保条約の条文は極めて穏当な内容であるが、結局は日本がアメリカの軍事力の傘の下になって、ソビエトから守るというのである。あるいは、アメリカが防共ラインとして日本を位置づけるための条約である。当時は社会党など野党に配慮して、軍事同盟などでないとしていたが、この条約は一方的であるが変則的なな軍事同盟であると言える。

冷戦が終結し、アメリカの一国支配体制が崩壊し、温暖化など環境問題や食糧問題が地球規模で、いわば全人類が加害者であり、被害者でもあるような時代になったのである。そうした大きな時代の転換期にあって、いまだに軍事同盟が国家間を結ぶとこの男は思っているのである。

世界は大きく多極化している。小泉のように、靖国に参拝し続けアジア諸国からつまはじきにされても、アメリカにだけ頼っていれば格好がつくと思っていた時代錯誤が、今日の自民党の破局を産んだのである。石破の発言も基本的に小泉の外交を踏襲している。

現代の同盟関係とは、2国間だけで仲良し関係になることでもなければ、ましてや軍事力を依存しあう関係でもない。共通の問題を見つけ補完し合うことこそが、21世紀の国家関係といえる。しかも世界は極めて多極的になっている。EUや上海機構など、地域毎の多国間の同盟や会議が無数に存在する時代になった。石破の軍事オタクの思い込みには、出口のない論議なのである。

コメント (1)
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