中国の胡錦濤主席が元気いっぱいである。シンガポールの、APEC会場に3日も早く訪れて、各国首脳と会談を重ねている。太平洋地域での影響力をしっかりと持ちたいのであろう。ほとんど世界唯一、経済発展を続ける背景を強力な武器にして極めてお元気である。
ところが、昨日胡錦濤は、世界自由貿易の障害になるもあらゆるものに反対すると発言した。アメリカなどが、中国製品に特定の商品に関税などをかけ始めたことへの抗議である。ここで胡錦濤は、発展途上国への 差別であると発言している。
はてさて、ここまで発言されると、中国は社会主義国と標榜する共産党による一党支配国家であることも問われなければならない。何よりも、中国製品が世界を席巻している現状は、安価な中国人の労働価値にあるのでないか。世界の製品を製造する工場を抱え込んでいるのも、ひとえに安価な労働力ではないか。社会主義国家なら、労働者の賃金を上げるのが何より優先されるべきである。人民の幸福は何処に行ったのか。
巨大な貧富の差、地域格差、産業間格差を産みだしながら、中国製品を極めて大量に世界にタレ流し発展している国家が、社会主義国家と自負するのも問題である。国際会議の場では、これらは内政問題への干渉になり、誰も指摘しないが、心で思っているのである。もう一つ民族問題も、内政干渉と他国の言うことなど聞きもしない。
社会主義国家が、国家が発展し国民の生活を抑え込ませながら(国家が人民を搾取すると社会主義は判断するはずである)、来年には世界第2の経済大国になる。「中国は発展途上国」発言をいつまで許すのであろう。
中国は社会主義国家でもなければ、発展途上国でもない。実質世界第二位の経済大国であり、れっきとした資本主義国家である。