そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

いまだ混迷中の戸別補償制度

2009-11-17 | 政治と金

Photo 民主党が1昨年の参議院選挙で、農家に対して1兆円の戸別補償制度を導入すると政策を掲げ大勝利した。今年の総選挙でも同様に、戸別補償制度を掲げた。疲弊する地方の農家の多くは、これに多くの期待を持って、民主党を支持したのである。

ところが、政権与党となった現在、いまだにその実態が見えてこない。農協を政策協力者から外したことや、主にこの政策に係わっていた篠原孝を外したことで、いまだ実体が見えてこない。

この図は、農業新聞が新たに予測した、現在機能している農業共済制度に乗っかった形の、モデルを予測したものである。それなら、現存の共済制度は必要なくなるのではないだろうか。20年ほど前までは、水稲農家は強制加入であったが、現在はむしろ小農は加入できなくなっている。

良く誤解されるのは、価格補償との違いである。価格補償は製品の価格を維持して農家所得を補償するものであるのに対して、所得補償は農産物価格は市場に委ねるのである。前者は消費者側に立った政策であるが、所得補償は農家に向いた政策である。EUなどの先進国の多くが採用している。

そうした点で、戸別補償制度そのものの選択の方向性は正しいのであろう。混迷の現状は、農家の評価にあるようである。努力しない方が多く保障されかねない欠点をどのように補うかなのである。これまでは個々の農協が入り込んで、自民党の政策を保管していたのである。

小沢一郎は、自民党にべったりだった農協が嫌いのようである。しかしながら、それを代替わりする存在が役場ではいかにも心もとない。農家ごとの生産体系の評価をするには、やはり農協が適任なのではないか。

戸別補償制度が、国家全体の生産量や自給率の向上を見据えていないことも、大きな問題である。高齢化集落ばかりになった農村地帯を、所得の補償だけでは救えないのではないか。労組出身の赤松大臣も心もとない。

コメント (1)
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