大阪の市民団体が、麻生内閣の河村健夫元官房長官を告発した。自民党が敗北した、昨年8月31日の総選挙の結果を受けて、河村官房長官が9月1日に2億5千万円を引き出したのは、使用目的もなく横領だというのである。記憶は薄れつつあるが、首を傾げたままでボソボソ喋るあの人物である。
民主党政権になって、官房室の金庫を明けると空っぽだったといのである。因みに官房機密費は、すべて現金で対応されていた。年間機密費は14億6千万円であった。月々1億円少々が支出されていたことになる。政権離脱が確定した翌日に、2億5千万円を引き出したのは、横領だというのである。
大阪の学者の要求で、安倍内閣時代の官房機密費の使途開示の訴訟は継続中であるが、現職官僚が法廷で証言するとのことである。国家の機密のための使用であるので、開示はできないというのである。要求は金額と日時だけでも言うものであるが、拒否するようである。
多少の機密は必要であろうし、公開できない目的の存在はあっても良いかもしれない。しかしながら、例えば20年ほどの経過があればこのレベルまでは公開するとする、見解は示してもらいたいものである。
小渕内閣時代の、官房長官の野中広務は野党工作に使ったり、選別や洋服代に使用した。政治評論家にはどんどん出した。拒否したのは田原総一郎ただ1人しかいなかった。同様の内容を副官房長官だった鈴木宗男も証言している。とりわけ沖縄知事選挙戦への介入は露骨で、3億円ほど持ち出したそうである。
要するに、官房機密費の多くの使用内容は、政府がかたくなに主張する国家機密に係わる者などほんのわずかで、多くは与党議員の小遣いと野党対策に好き勝手に使われていたのである。河村健夫の告発がこれらの歯止めになればと思われる。