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そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

大逆事件を考える

2010-09-02 | 政治と金

大逆罪を御存知だろうか。戦前の旧刑法73条に「天皇三皇后大使に危害を加えたるもの死刑」とあるのが、大逆罪である。大審院(元最高裁)でのみ判決する、一審刑である。1908年法律制定間もなく起きたのが「幸徳秋水大逆事件」である。1910年信州で爆弾を制作していた、宮下という人物が検挙され、天皇暗殺を企んでいるとされた。

桂太郎内閣の社会主義追放を受けて、当時台頭しつつあった社会主義者の幸徳秋水らがこれに関連して逮捕された。26名が起訴されて、12名が処刑された。いわゆる幸徳秋水大逆事件である。その後3度大逆罪が適用されているが、大逆事件は1910年の幸徳秋水大逆事件を指すことが多い。

この時に、幸徳秋水の思想に感銘を受けていた人たちが芋蔓式につかまっている。和歌山県新宮市では、100年目になる今年、大逆事件の犠牲者の復権を行っている。先日NHK教育テレビでそのことを知った。

和歌山県で逮捕された6名の人物は、いずれも社会の弱者に対して懸命の活動していた人たちである。大石誠之助は医者として、社会の底辺の人にも分け隔てなく診療し料金も取らなかったりしていた。高木顕明たちの僧侶も、解放運動に携わっていた。これを積極的に取材していた新聞記者の崎久保も犠牲になっている。

大逆事件はこうした社会の弱者たちの救済に活動する人たちを、社会主義者と決めつけて処刑した。更に問題は、その家族や子孫たちにも「逆賊」の汚名を着せていたことである。多くの家族は、逆賊として地域を追われ孫子の代にわたって差別を受けている。番組では、孫に当たる方が軍隊で、二等兵以上になれないことを、告げられている。朝礼時に先生から外された経験なども語Photo_2 られている。

問題は、こうした思想弾圧で犠牲になった方々の復権を、国家はは認めていないことである。新宮市では民間の方々が犠牲者を顕彰をして、碑まで建立している。国家はいつまで経っても過ちを認めない。

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