尖閣諸島で起きた中国漁船拿捕事件であるが、何か腑に落ちないところが沢山ある。拿捕責任者の前原国交大臣は、ここに領土問題はない。と突っぱねてしまった。こともあろうかその彼が外務大臣に就いた。親中 国であった岡田に対して、前原は誰もが知る親米派である。台湾も自国領土を主張しているが、半分は台湾の血をひく蓮舫大臣は、領土問題があると発言しているたが、その後彼女は訂正している。
我が国が自国の領土と主張してみても、中国も台湾も自国領土と主張する限り、領土問題はあるとするべきである。1919年中国の漁船が遭難して、魚釣島に漂流したのを救助したことに対する、中華民国の感謝状が残されている。少なくとも当時は、中国は日本領土していたのであると、主張するべきであって、領土問題が存在しないとは何とも、強硬な発言である。
この地域は、1997年に交わした漁業協定がある。鄧小平時代にも双方で問題を拡大しないように配慮してきた経緯もある。それらのことを置き去りにしたままで、領土問題はないとはないであろう。従来からシーレーン構想に熱心な、親米右翼の前原らしい対応である。
前原の外務大臣就任を見越すように、中国では反日デモが盛んに行われている。小規模であるが、柳条溝事件の79年目に当たる9月18日に、北京などでの小規模で散発的なところを見ると、 官製のデモであることには間違いないが、世論操作には十分である。
鳩山由紀夫は、北朝鮮の核の脅威や韓国の哨戒船の天安艦沈没事件を例にとり、アメリカ海兵隊の抑止力が必要で、普天間は沖縄から移転させないと発言する根拠にしていた。この流れから見ると、前原は中国の脅威がどうしても必要になったのではないか?元々拿捕することなどしないような取り決めを、この時期強硬策に出ると中国はアクションを起こすのは目に見えている。有事をでっち上げた、前原のヒットであろうか。
防衛白書でも、中国と北朝鮮それにロシアの脅威を上げ、我が国の戦力の非力を浮き立たせようとしている。前原の外務大臣就任を、当然のことであるがアメリカは歓迎している。それに対する中国の反応とも見える。前原新外務大臣の対応が見どころである。