goo blog サービス終了のお知らせ 

そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

農業者の減少が急である

2010-09-08 | 政治と金

農水省は7日、2010年の農業センサスを発表した。05年に比較して農業人口は75万人減少して、260万人になった。減少率は22.4%である。調査を開始した1985年以降最大の減少率Photo である。比較的減少率の少ない根室地方でも、この20年で約35%減少している。

農業就業者の平均年齢が前回調査の63.2歳から65.8歳に上昇したのである。260万戸中の販売農家が、17%減少して163万戸になっている。専業農家は1.9%増加し45万戸になっている一方で、兼業農家は22.4%減の118万戸になっている。経営形態は耕地面積1.9ヘクタールから2.2ヘクタールへと規模拡大が進んでいる。法人化も進み、16%増加して2万2千戸になっている。

さらに深刻な問題を象徴する耕作放棄地が、2.6%増加して40万ヘクタールになった。府県の耕作放棄地は、限界集落などの増加による担い手のいないくなった、へき地の減少と思われる。当地では、強引な草地造成などによる開発の結果、の内に適さない状態になり放棄されているところが少なからずある。

農業者の減少は食糧生産の担い手が減る、農業そのものの問題が大きい。更には地方の疲弊や文化の消滅、更には森林も含めた自然環境の悪化などが起きている。今回の調査では更に、若い担い手の減少による、高齢化が際立ってきたことも深刻な問題である。

こうしたことを受けて、更に日本全体の農業の大型化が進行することになると思われる。又法人化や企業の参入なども起きることが予測される。大型化や企業家による農業の弊害は、食糧を量的な確保を優先し、営利目的が営農の基本になってしまうことになる。日本農業の本来の姿が消えてしまうことになる。

農業は人間社会の基本である。食糧は人の命を支える物である。この50年間、日本は農家者に農業を放棄させることで、2、3次産業の発展を遂げてきた。農業に過酷な対価と規模拡大を強いてきた農業放棄の制作の結果である。日本のGDPが高くなったとしても、失ったものはあまりにも大きい。豊葦原瑞穂の国の日本人の勤勉さは、風土が培ったものである。食糧や文化自然環境など、農業を放棄させたことの見返りが今起きているに過ぎない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羅臼港

春誓い羅臼港