華北新聞によると、お米の”ひとめぼれ”の価格が暴落しているそうである。60キロ、一等米の 価格が、8700円と大きく、一万円を割ってしまった。30%以上の下落である。民主党の戸別補償制度で、どれほどおコメ農家を救うことが出来るのであろうか。
戸別補償制度は、作付面積当たりで給付される。出来高や市場価格は、基本的に考慮の対象になっていない。戸別補償制度は、10アール当たり、15000円を保障価格としている。上乗せもあるようであるが、基準については良く解らない。政治判断というところであろうか。
最も心配されるのが、農家補償があるために市場価格が維持でず、抑えられることになりかねないことである。補助を見越して買いたたくということである。
四国のある県で、北海道から購入した乳牛の購入価格の30%を県が負担するという、補助制度が実行された。勢い市場に買い付けに来た家畜商は、市場価格を10%以上も吊り上げてしまった。しばらく当地の市場は高価格を維持した。この補助金は、導入農家に支払われた部分もあるだろうが、当地の酪農家に支払われた部分も少なからずある。補助金が県外の酪農家に支払われることになるのである。
戸別保障制度がおコメの価格を下落させることになるのではないか。今回のひとめぼれの暴落が、こうしたことを背景にしているとは断じかねるが、可能性はある。戸別補償制度は、消費者に還元されると見ることもできるが、補助制度が農家に満額降りない結果になるともいえる。あるいは、こうした補償制度は、篤農家には薄く、怠慢農家に厚く支払われることにもなる。生産価格を高くしてしまった農家が対象になるということである。
農業補助の難しい一面がここにある。食糧については国民は、等しく消費者である。例外はない。農家の補償について、目先の金額に囚われず寛容になってもらいたいものである。農家は、補助金を目当てに怠慢にならないように願いたいものである。