今時党首選挙をやる感覚そのものが理解できない。政権交代しても実績なんてすぐに上がるはずがない。何をするにしても、自民党時代の尻拭いに数年はかかると思われる。それを、たった8ヶ月で鳩山は小沢を引き連れて辞任した。政府と与党のトップが同時に引責辞任したのである。
その僅か3ヶ月後に、引責辞任した男が引責辞任を促した男にひきつられて、 自ら推薦した政権批判をして党首選に立候補した。良く解らない構図である。
ことの発端は菅政権発足時に「小沢さんはしばらくの間静かにしてもらう」といった発言で、小沢支持議員を要職から外した。それで選挙に勝てば良かったが、参議院選挙は敗北した。その結果を受けて、菅は何もしなかった。小沢グループは選挙敗北の責任や総括をしていないということが、人事から外されていたことがくすぶり出してきた。こんなところであろう。
小沢は昨年衆議院選のマニフェストの実行を掲げているが、ガソリンの暫定税率の税の廃止と、子ども手当を見直すように鳩山に迫ったのは小沢である。鳩山は子ども手当は固執して通したが、暫定税率はそのまま残した。マニフェストの変更を最初に行ったのは小沢である。
菅は国家戦略室を就任早々有名無実化した。局への格上げには参院選敗北で法案が通らない見通しだったことを考慮しても、路線変更は明らかである。消費税にしても小沢外しにしても、内部討論を重ねた形跡がない。これが市民運動出身者かと思われる。気まぐれで独断的な小沢の剛腕とそん色がない。
そう考えるとこの二人は50歩100歩である。円高など経済問題や財政赤字など極めて大きな難局が迫っている。責任ある政権与党なら、この時期を外して党首選をやるべきであろう。こんなことやっている場合かと多くの国民は思っている。日本の政治土壌はこんな程度か。