人類史上最大のチェルノブイリの、原発事故から25年経った。事故 はソビエト時代に起きて、その後ウクライナという、新たな国家へ負の遺産は引き継がれた。
フランス制作のドキュメンタリーを見た。チェルノブイリ4Everという題である。爆発した4号機を皮肉った題である。
驚くべきことに、残りの3機は2000年まで稼働していたのである。ソビエト崩壊直後の、政治的・経済的混乱からウクライナは何でも欲しかったのである。
この間、EUには核燃料の残量を適当に、危険があるように改ざんした数字を報告していた。EUからの支援が滞らないためである。ウクライナは、チェルノブイリ事故を負の遺産とはせず、金を生みだす手段としていたのである。
最も驚くべきことは、ウクライナは2030年までに新たに、原発22機の建設中なのである。EU諸国に原発の電気を輸出するためである。EU諸国は、幸いなことに脱原発へと動いている。電力不足が早晩訪れると読んでいるのであろうか。
ウクライナは、北朝鮮のように声高ではないが、危険を売り物にし金に換えているのである。
EUは4号炉を覆い尽くす、新たなドーム型の石棺の建設に入った。危険がある限り、チェルノブイリは援助を地続きの国から引き出すことができる。
ウクライナ国民の平均寿命は極端に下がった。健康な幼児は今や3~5%程度であるという。ウクライナは、チェルノブイリ事故の情報をいまだに全面開示していない。事故を語る継ぐことも行っていない。国民は次第に事故を忘れ、事故が風化してきている。
日本の原発を抱える自治体が、たんまり交付金をもらい危険と背中合わせの見かえりを貰っているが、どこかウクライナと共通する。