そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

届かない義捐金

2011-07-12 | 政治と金

 国民の多くが、あまりにも悲惨な今回の東北海道大震災で、何かしなければと思ったに違いない。現地に出かけた方もいるだろうし、避難民を受け入れた方も少なくない。自治体も人や救急車など、有形無形の援助をPhoto_3 行っている。

 しかしなんといっても、多くの国民が行ったのは義捐金であろう。イチローは早速一億円出し松井やダルビッシュは5000万円出した。小さな子どもたちも少額でも思いは変わらないだろう。しかし、何といっても浄財である。人の気持ちが込められたお金である。

 日本という国はこうした浄財を受けるシステムがない。最終分配の配分を行うべき県が、3県にまたがっていることもあって、御役に仕事丸出しである。要請があって初めて認定を受けて配布される。

 その結果、4カ月経っても義捐金は僅か25%程度しか、被災者に届いていない。希望を持てとか、未来に向かって歩き出そうなどと言っても、義捐金一つをとって見ても、分配でもめるのである。

 義捐金は、多くの場合には日本赤十字社と中央共同募金会に集まる。その他直接県や自治体に届けられたものもある。おおよそ、千二百億円にもなる義捐金が、いわば野積み状態で被災者に届いていないのである。

 日本の行政の縦割りが阻害になっている。配分を巡って未だに金額の決定にもたついている。被災者の申請がなければ配分できないのである。全くスピード感がない。不正のチェックでもやっているのだろうか?

 これでは、義捐金に込めた人々の願いは、配分段階で滞ったままであると、言われても仕方ない。

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広がる放射能汚染

2011-07-12 | マスコミ報道

 牛肉から暫定規制値(500ベクレル/キロ)を大きく上回る、放射性セシュウムが検出された。再検査で同じ農家の11頭が確認された。同一の理由を思われる。

 この農家からは、5~6月にかけて東京食肉処理場を通じて、6頭が5Photo 都府県に売られていたことが解った。追跡調査で、静岡に残っていた14.8キロの牛肉から1988ベクレルが確認された。

 この農家の稲ワラからも7万5千ベクレル検出された。稲藁は4月から外に置いていたとのことである。稲藁は乾燥させることで、膿食された可能性があるが、それにしても高い数字である。

 この稲藁を通じて、牛たちは内部被ばくしたのである。政府は、牛肉出荷の時に体表の放射線量を計る、表面スクリーニングをやっていた。それを根拠に、安全であるとを繰り返していた。

 牛の体表にその時に付着していた放射線量を計測しても、食品としての牛肉の評価とは全く関係がない話である。行政の単なるアリバイ工作的な調査でしかない。

 つまり、安全の足しにならない検査を繰り返して、「安全宣言」を行ったのであるが、それは何の意味もない。

 多分、そんな調査をやれば牛肉を出荷できなくなる、と思ったに違いない。そんな程度の調査である。消費者の健康など考慮した調査などではない。

 彼らがしなければならなかったのは、牛が食べるもの調査、検査のである。そしてその保管の指導と調査である。

 牛肉の検査に放射線は強制されていない。これを期に。福島県では全頭検査をするらしい。使用するゲルマニュウム半導体検出器は、一台3000万円近くするとのことである。

 風評被害は確かに存在するが、今回のような事例が繰り返し発覚すると、それは風評ではない。風評被害を言い続けることで、現実的被害を覆い隠すことにもなりかねない。

 千葉の柏市でゴミ処理場からも、高濃度の放射性物質が確認された。放射能による汚染は、かなり拡大していると考えるべきである。これを克服するためには、何よりもまず脱原発を宣言しなければ、新たな対策すら出来ないことになる。

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羅臼港

春誓い羅臼港