国民の多くが、あまりにも悲惨な今回の東北海道大震災で、何かしなければと思ったに違いない。現地に出かけた方もいるだろうし、避難民を受け入れた方も少なくない。自治体も人や救急車など、有形無形の援助を 行っている。
しかしなんといっても、多くの国民が行ったのは義捐金であろう。イチローは早速一億円出し松井やダルビッシュは5000万円出した。小さな子どもたちも少額でも思いは変わらないだろう。しかし、何といっても浄財である。人の気持ちが込められたお金である。
日本という国はこうした浄財を受けるシステムがない。最終分配の配分を行うべき県が、3県にまたがっていることもあって、御役に仕事丸出しである。要請があって初めて認定を受けて配布される。
その結果、4カ月経っても義捐金は僅か25%程度しか、被災者に届いていない。希望を持てとか、未来に向かって歩き出そうなどと言っても、義捐金一つをとって見ても、分配でもめるのである。
義捐金は、多くの場合には日本赤十字社と中央共同募金会に集まる。その他直接県や自治体に届けられたものもある。おおよそ、千二百億円にもなる義捐金が、いわば野積み状態で被災者に届いていないのである。
日本の行政の縦割りが阻害になっている。配分を巡って未だに金額の決定にもたついている。被災者の申請がなければ配分できないのである。全くスピード感がない。不正のチェックでもやっているのだろうか?
これでは、義捐金に込めた人々の願いは、配分段階で滞ったままであると、言われても仕方ない。