そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ウクライナ情勢による穀物価格変動

2014-03-05 | 政治と金

昨年の世界の穀物生産量は最近になく、世界各地で過去最高の豊作の年であった。円安が幸いしたのか災いになるのか判らないが、日本Food_price_index2014 は穀物が安くはなったが、その恩恵を受けることもなかった。
左に表は作物ごとの、昨年1年間のの価格推移である。ほとんどの価格が下がっていることが判る。乳製品だけが上がっているのは、飼料用穀物の供給量が減っているためではないかと思われる。
下の表は、穀物の生産量と消費量と備蓄量の、昨年1年の推移であPhotoる。国際的な需給関係が極めて良好であったことを示しいている。結果として、トウモロコシは39%、小麦は25%、大豆は8.5%も価格を下げている。そのおかげで生産者は、それぞれの今年の耕地面積を減らすことになっている。
ヨーロッパでは有数の穀物生産国のウクライナ情勢が、ここにきて大きな影を落としている。小麦の生産量は2000万トンほどであるが、ほぼ半量を輸出している。黒海周辺国で、世界の小麦輸出量の4分の1を占めている。
シカゴの小麦取引価格が、2月末から急騰しているのである。1ブッシェル6.022ドルから、6.434ドルへと僅か1週間で、6.8%も上がったのである
ウクライナ情勢は、劇的に変化する動きは考えにくい現状である。この動きは一過性のものに終わらないような気がする。
アメリカ1極支配から多極化している世界の中で、かつてのように振る舞えなくなったアメリカは、ロシアの動きを牽制すらできない。
更に、今年は世界各国の農場で水不足に陥っている。アメリカは占いの杖を突いて水乞いをやっていることが報じられている。オーストラリアは全土的に干ばつ常態である。
こうした中で、TPPが棚上げされることは歓迎すべきことである。

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