安倍首相の、「私が責任者だから私が答える」として、法制局次長の答弁を遮って答えていた。これは極めて、重要な問題である。安倍晋三 は、中学生レベルの社会科の知識すらないことが判る。今一度おさらいをしてみる。
日本は三権分立の国家である。司法、立法、行政はそれぞれ独立した権限である。安倍首相は行政府の長である。国会は立法の府である。
首相は行政の長であるが、責任者であるから立法をも思いのままに従わなければならいと発言したのである。
「私が法律である」と、権力を振るった18世紀の絶対王政の権力機構をなぞったようである。安倍たち右翼政治家が忌み嫌う、北朝鮮や中国のように、あらゆる権力が労働党や共産党に集約される、社会政治体制に戻そうとするのであるか。
恣意的な発言か、無知がなせる(アベノムチ)思い上がりかわからないが、安倍の発言は立憲主義の否定である。
近代の憲法は、国家権力の暴走を抑えるもので、国民に対して行わなければならない義務を明確にしているものである。行政の長が、時どきの流れで、勝手に権力を振るうことを憲法は規制しているのである。
安倍首相は、三権分立も理解していなければ、立憲主義国家も頭の中にない。彼にあるのは、戦前の天皇を中心とする国家の建設である。
残念ながら、今のところ彼の思うように、戦時国家へと突き進んでいる世に見える。