中国はアフリカの小国ジブチに、2月ごろから巨大な軍事基地の建築に取り組んでいる。中国が国外に軍事基地を建設するのは初めてのことである。その言い分は、「ソマリア沖の海賊対策」や「国連平和維持活動(PKO)部隊の休息や燃料補給」であるというのである。はて、どこかで聞いたことがあるような台詞である。
海外に派兵する時には、どこも人道支援を掲げるものである。日本政府は中国の軍事進出に一言もなかろう。
ジブチにはアメリカやフランスそれにイタリア軍の基地もある。メリカに次ぐ大きな基地であるが、中国の海外進出が始まったとみるべきである。背景には、一対一路と名付けた巨大な経済構想があり、中国は地続きと言うアメリカにはできない有利さを盾にし、近隣国家に利権の拠点を連ねていくというものである。
基地開設について「アフリカや西アジアでの船舶護衛や平和維持活動、人道主義に基づく救援などの任務を保障する」と強調し、名称も「保障基地」として軍事色を薄めようとている。共産党機関紙の環球時報は、「基地は中国海軍がさらに遠方に展開することを支援する」と指摘しているが、対外的には軍事基地ではないとしている。
中国は昨年アフリカに7兆3600億円投資している。今やアフリカ諸国にとって中国は最大の貿易国となり、中国も鉄道を中心としたインフラ投資も進んでいる。見返りににアフリカ各国は、中国に鉱物資源や石油・天然ガスなどを供給している。
一帯一路はユーラシア大陸を離れ、パキスタンやスリランカの先へと拡大している。中国と言う自称社会主義国家は、審議や論議など何もなくても国家の決定は即断で強力である。経済協力や人道支援を隠れ蓑に、軍事力を背景に途上国に食い込むタイ奥主義は今後さらに巨大化することになるであろう。
21世紀は平和の世紀とは無縁なのだろうか。