そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

トランプの我儘、世間知らずが新たな火種

2017-12-07 | トランプ
政治には全くの素人のアメリカ大統領のトランプである。起業家として成功したことが妙な自信になって、やることなすこと単純と言うか強行というか、あたりかまわず目先のことだけに集中して結論を出す。そしてそれを引っ込めることがない。
選挙公約と全く逆さまのことを平気でやる安倍晋三とは対照的である。大統領選挙の公約は何が何実行しなければならないと思っているようである。
メキシコとの国境に壁を作る、建築費はメキシコに負わせる。CO2排泄と温暖化や異常気象との関係はないと、COPを離脱する。石炭の採掘を始める。科学者がこぞって反対しても聞く耳すら持たない。選挙の時に思いついて言ったこと、利権を持つ人たちの声は支持と引き換えに聞く。アメリカファーストと言えば国内的な支持があり、政権基盤は安定するというのであろう。ところが史上最悪の支持率を更新し続けているトランプである。
今回は、イスラエルの首都はエルサレレムであると言ったのであるこれも政権公約である。イスラム教、ユダヤ教、キリスト教の世界3大宗教の聖地のエルサレムは、イスラエル・パレスチナ間の和平の象徴的な存在である。それぞれがギリギリの合意を見せる、危険な存在であり触れてはならない危うさを秘めている。早速テルアビブにあるアメリカ大使館を、エルサレムに移す作業に入った。
勿論トランプは国内のユダヤ系の支持者を意識したものである。イスラエルは大歓迎すると早速謝意を表している。しかし、このトランプの決定は新たな火種を作ることになる。フランスもドイツも国連も即刻反対声明を出している。
トランプは自らの支持母体への返礼をしたのであろうが、国際的に解決不能な問題に新たな火をつけたことになる。トランプは調停役だと自らアメリカを位置付けているが、全く逆である。トランプは学習していない。
大国は小国に譲歩しなければ国際問題は永遠に強者の論理で覆われてしまう。トランプには強者の論理しかないのである。

羅臼港

春誓い羅臼港