そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

アニマルウエルフェアの普及で健全な畜産の生産を

2017-12-25 | アニマルウエルフェアー
今月8日にアニマルウエルフェア畜産協会は、協会が設定した基準をクリアーした農家を、アニマルフウエルフェア認証農家に認定した農家のお披露目を行った。農業新聞の記事を参照ください。
アニマルフウエルフェアは家畜福祉と訳されますが、家畜を生命ある動物、血が流れ意識のある生き物として扱おうというのが、アニマルフウエルフェアの基本的な考え方です。
現在の大型化した畜産の飼養形態は、農場の生産量と個体の生産能力の向上を、経済的な側面でしか評価してきませんでした。そうした付けが家畜にストレス・負荷をかける結果になっています。アニマルフウエルフェア畜産協会では、飼養頭数や疾患の多さや牛体の汚れや自由度やベッドの広さ名をを評価し、これまで6戸の農家を認証してきました。そのうちの4戸が酪農製品の加工場をもって販売している。加工場の評価も加えて、8日にお披露目した次第です。
これらの酪農家の農場の乳牛たちは、極めて温厚でのんびりと飼われています。病気もほとんどなく獣医さんとはほとんど無関係な日々の牛たちです。
現在の多くの酪農場から消費者に供給される牛乳は、とてもじゃないが健康とは程遠い乳牛たちが、半ば強制的に穀物を多給されて泌乳された牛乳です。多分90%以上がこうした乳牛から供給されたものです。乳牛たちはわずか2産少々で廃用になります。つまり若い時に耐えられるような、過酷な飼養環境で泌乳できる牛だけが飼われているのが、日本の酪農の現状なのです。不健康な乳牛から健康食品が生産されるのでしょうか?ニワトリなどは昼夜を問わず明るくされ興奮状態の継続によって産卵するのです。嘴は切断され、中空に浮いたA4サイズのケージの中で羽根も伸ばすことができずに、産卵を強制されて生産された卵を、消費者は安いと買ってゆくのです。採卵鶏の場合、ヨーロッパではすでにケージ養鶏が禁止されつつあります。北海道でも、コープさっぽろが平飼いの卵を全ての店頭に並べるようになりました。
乳牛はそこまではいまだ行っていませんが、私たちが今回認証した飼養形態にいずれなるものと確信している。酪農家がほとんど牛たちの顔も知らないで、一日15キロ程度の人と競合する穀物を給与し、泌乳を強制して苦痛を乳牛に与えることがいつまでも続くはずがないと信じているからである。ヨーロッパの店頭に並ぶ乳製品には、様々なマークが付けられている。家畜の飼い方を消費者が店頭で確認できるようになっている。遅ればせながら、私たちはその途に就いたと思っている。
コメント (2)
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