「夢の超特急」リニア―新幹線の巨大プロジェクト関連工事の受注を巡り、東京地検特捜部が偽計業務妨害容疑で大手ゼネコン「大林組」などの4社が公示前に談合していたことが解った。4社が事前に協議していたというのである。畏敬業務妨害という事である。
これまで、4社でこの巨大プロジェクトの7割の事業を受けている。国の財政投融資も活用された総工費は9兆円を超える。ゼネコン各社の幹部は、事前に意見交換するのは当然だと嘯いている。談合からの決別を宣言したのは何だったのだろう。
そもそも、リニア―鉄道は物理学的にも経済的にも矛盾を抱えたシステムなのである。リニア―新幹線は、巨大なトンネルを日本で一番褶曲賭して盛り上がっている南アルプスに、30キロもの長いトンネルを工事中である。無数の活断層を敵に回すような工事である。すでにいくつもの水脈を切り、予測不可能の増水と住民の水源の渇水がすでに起きている。原因不明の崩落が周辺の山脈で起きている。
工事の車によって、地方は日常生活を脅かされている。中止の訴訟が早々とも起きている。日本第二の北岳を抱く南アルプスは、野生動植物の宝庫である。これらに対する事前調査は何もないのが現状である。無人運転やトンネル事故などの対応の不安が残されたままである。
ほとんどがトンネル内の運行であり、単なる移動手段に過ぎなく、リニア―新幹線が鉄道マニアや旅行が趣味の人たちの支持などありあないであろう。リニア―新幹線は原発4基もの電力を食いつぶす非経済的なシステムである。
鳴り物入りで国家事業に祀り上げられたリニア―新幹線は、これまでもあったように汚職や不正受注の温床となる。リニア―は理に合わない。