国連が北朝鮮について動いている。米朝の対立の緊張がさらに高まる中で、フェルトマン国連事務局長が今月5日から9日まで平壌を訪問している。北朝鮮は戦争回避の重要性に同意する一方、「現時点ではいかなる約束もしなかった」と述べた。ただ、フェルトマン氏の「方向を転換し、対話する準備ができているとのサインを送るべきだ」との説得に対して、北朝鮮側は「注意深く耳を傾け、精査し、質問や反論をした」という。 北朝鮮の弱者の姿勢の威嚇を外さなかったということであろう。金正恩とも話し合いが持てなかった。外相とは会談できたきょうであるが、結局北朝鮮から姿勢を崩すこはなかった。
また日本には、グレーテス事務総長が対話がを模索する形で14日来日している。ところがまずは報道がほとんどされることがない。安倍晋三と国連のグテーレス事務総長と会談している。安倍晋三は記者発表で「朝鮮半島の非核化に向けた意味ある対話でなければならないとの認識を共有した」と述べ、北朝鮮との対話を否定した。圧力によって政策が変わることを強調し、対話を否定している。安倍晋三にとって、北朝鮮危機はなくてはならないものである。うかうか対話などしてもらっては困る。これを一番忠実にま守っているのが、トランプである。閣内から条件なしの対話案が出ても即座に否定している。日本の報道も政権に忠実のこれらの報道を抑えている。
しかし、仮に北朝鮮が折れた場合でも対話することにはなるのである。それすら否定しているのは、現政権の崩壊を目指しているとしか思えない。それは現実的には訪れないだろうから、結局は危機を煽る事しか、安倍晋三もドナルドトランプもないのである。日米の軍事産業の株価は上昇するばかりである。
更に韓国康京和外相が訪問したが、これも話し合いを前提に大統領になった文大統領に、慰安婦問題もあり冷たい対応である。首脳会談や冬季五輪などの懸案事項が数多くあって、北朝鮮問題の進展は期待できるようなものではない。
安倍晋三にとって、北朝鮮との対話する気などさらさらなく、国連の目指す平和解決などどこにも存在しない。国家間の紛争は大きな国が折れなければ絶対に解決できない。アメリカは日韓と揃って、北朝鮮を威嚇し経済制裁を繰り返すしか策がない。おかげで、木造の古い船で漁に出る人たちが、ボロボロ日本にたどり着く哀れな様を見せている。
先日国連では北朝鮮の人権問題、国民の困窮による問題が真剣に行われたが、それっきりである。本来ならば、国民救済が先行されるべきであるが、日米韓の制裁こそが問われるべきである。
巨大なアメリカの核をもってしても、北朝鮮の核開発を抑止することができない。武力制圧の無力、経済制裁がさらなる暴力、さらなる不幸を生むことを私たちは学ぶべきなのである。