日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

歴史の掘り起し。

2018-12-18 13:54:12 | 映画・テレビドラマ・音楽
先日、NHKBSで世界のドキュメンタリー番組を見た。
2016年制作のドキュメンタリーだから、あの第2次大戦でヨーロッパがドイツに席巻されていた時代の話題なのだけれど、最近明らかになったことらしく、色あせた報道ではない。

まず番組当初に度肝を抜いたのは、生まれてまもないベビーの数。どれも衣類は着ていない。大量生産されたなにか、と思わせる映像でした。
まぎれもない人間の赤ちゃんなのです。ドイツ隣国が次々とナチスに征服されたヨーロッパ。フランスもしかり。そのフランスの複数の館で、アングロサクソンの人口を増やす作戦が実施されていたというのです。
アングロサクソンの女性が館に集められ、ナチの親衛隊の子供を生むことは、世界の善、という思考。
男性の軍人たちは当然に祖国に家庭を持っています。だから、生まれた子供は最初から量産するための子どもであり、父母の元で育てられることは想定されていません。女性の側はどんな環境下の女性だったのかは詳細はわかりません。資料のほとんどは焼却されたらしいのですが、最近になってそんな施設で生まれたという子供(すでに70歳は過ぎています)が、自分の出生の経緯を探し当てたというレアなエピソードが紹介されていました。

私たちは、遠くからヨーロッパを見ている立場ですが、第1次と第2次の大戦で国土が焦土と化した歴史は、不戦については堅いものがあるでしょうね。

と言いながら、途上国に武器輸出したりしているから、問題は簡単ではないでしょうけれど。

ひとまず、知ることは大事です。
きっと、かの国のリーダーの皆さんは、当事者国としてご存じの上で、自国民の生活の向上へのかじ取りをなさっているのでしょう。

まずは足元、自分の周りのことから考えなくてはならないのだけれど、かつて「これが人がした事実」だとすると負の歴史も知ることは大事なこと、と思います。


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藤沢周平著『驟り雨』(はしりあめ)を読む

2018-12-18 10:31:27 | 
久しぶりの藤沢周平作品です。昭和60年に文庫本になった(数年前に電子書籍に)本ですが、今も十分に読み手の心に響くところがあり、かつ読みやすい短編集です。ちょっとした描写場面でのプロの文章表現者のものを見る視点にさすがというか上手いです。

これまで私が読んだものは武士階級の物語だったので、江戸下町の裏長屋の住民が登場人物の本は初めてではないかしら。
北原亜細以子さんの江戸下町の長屋の木戸番夫婦を要に置いた物語を数冊読んだ後のこともあり、この本もまた惹きこまれて読める。

物語には、必ず書き手の倫理観、人間観が入ってくるのだけれど、藤沢周平ファンの私は、「やっぱり藤沢周平の作品だな~」と満足感を味わえました。

それにしても、年齢がすっかり現代とはずれていますね。
女性が16歳で夫婦になるのは、当たり前のこと。二十歳も過ぎれば、嫁ぎおくれの感の時代です。
そういえば、昭和40年代でも4年制大学を卒業すると婚期が遅れるから、短大ぐらいがちょうどいいって風潮は残っていました。

江戸期の下町の暮らしって、こんな風に展開されていたのだと、想いは巡ります。
今の平均寿命を江戸期の人が知ったら、さぞかし仰天ものでしょう。




またまた余談ですが、
先日みた岩倉使節団とともにアメリカに渡った、津田梅子、山川捨松ら女子留学生をとりあげた歴史番組で、こんな話を聞きました。明治、大正期(昭和初期も?)の女学校では、「卒業顔」といういい方があったそうです。
初めて耳にしました。

女学校で学んでいても、いい縁談があると退学して結婚を選択する生徒がしばしばおり、卒業を迎えるまで縁談が決まらない(器量がよくない)顔を、卒業顔と言ったそうです。

あの人は、器量がイマイチだから、ちゃんと卒業までいく人だね、と。

なんという社会だったのでしょう。

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