詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

嵯峨信之『土地の名-人間の名』(1986)(95)

2019-08-25 10:25:47 | 嵯峨信之/動詞
* (言葉からぬけ落ちた小さな仏の子を)

湯浴みさせ 名をつけよう
裸のままもう歩きだそうとする

 「名をつける」は美しい動詞だ。名前がなくても「仏の子」は存在する。もしかすると生まれたときからすでに名前を持っているかもしれない。それでも、「名をつける」。
 その存在に、そうやって近づいていく。「名をつける」ことは「関係する」ということだ。そして、それは一方的な働きかけではない。「名をつけ」たそのときから、「仏の子」から何かが返ってくる。
 嵯峨は「名」を呼びながら、「仏の子」が歩きだす方向へと追いかけていく。









*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
定価の下の「注文して製本する」のボタンを押すと購入の手続きが始まります。
私あてにメール(yachisyuso@gmail.com)でも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)

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