詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

嵯峨信之『小詩無辺』(1994)を読む(5)

2020-01-23 09:34:08 | 『嵯峨信之全詩集』を読む

待つ

窓から
雨のあがつている街道が見える

 もしひとを待っているのだとしたら、そのひとはその「街道」を来るのだろうか。たぶん、そうだろう。「雨」はあがった。それは一般的に考えて、吉兆である。その道を通って、二人はどこかへ行くこともできる。でも、いまは、そういうことは考えていないだろう。
 その道を、そのひとがやってくるまで、嵯峨はそのひとの方向へむかって動いている。「待つ」とは、「肉体」は動かさないが、こころを動かしつづけることである。こころが動くから、道をみつめる。雨があがったことを知る。








*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
定価の下の「注文して製本する」のボタンを押すと購入の手続きが始まります。
私あてにメール(yachisyuso@gmail.com)でも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 細野豊「地の上へ散るだけの」 | トップ | アルメ時代28 冬の水たまり »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

『嵯峨信之全詩集』を読む」カテゴリの最新記事