詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

嵯峨信之『土地の名-人間の名』(1986)(93)

2019-08-23 09:15:58 | 嵯峨信之/動詞
* (未知のあいだに愛がかくれている)

 「未知のあいだ」は矛盾に満ちたことばである。「未知」は知られていない。「あいだ」はどうやって認識するのか。
 「未知」そのものの「あいだ」なのか、「未知」と「既知」の「あいだ」なのか。後者だろう。

だれの口からも漏れない愛の言葉がある
石が知つている

 「だれの口からも漏れない」なら、それは「他人」には「未知」のことばである。でも自分は知っている。その知っていることを「石」にあずける。そのことを知っているのは、嵯峨だけだ。







*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
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