詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

ガルシアマルケス「族長の秋」(鼓直)

2021-02-13 11:29:40 | その他(音楽、小説etc)
再読。
私は、鼓直の訳は好きではない。
ときどき学生の下訳をそのままつかっているのではと感じる時がある。
でも、この作品に限っていえばそれが効果的。
牛島信明のように、しっかりした日本語では味わえないイメージの混乱が楽しい。
えっ、まだ終わらないのか、まだ続くのかという果てしない迷宮の文体をさまよいながら、自分にとって快感といえることばだけを選んで読んでいく。
それが主人公の夢、現実として感じられるようになる。
その瞬間に、小説は終わる。
その終わり方は、えっ、終るの? と言いたくなるくらいに美しい。

(入院中。作品の引用が、スマートフォンでは難しいため、詩の感想はしばらく休みます)
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宇佐見りん「推し、燃ゆ」

2021-02-09 12:45:42 | その他(音楽、小説etc)
芥川賞作品を読んだ。
文章はこなれているが、魅力的とはいえない。
335ページに、プールに肉が溶け出すというような刺激的な表現がある。それが主人公の感じている重さと交錯する。
かなり期待して読み進むが、この肉と重さが、精神、背骨に変わる。この変化が、なんというか、象徴主義のようで面白くない。
プールと肉との関係はベーコンの描く肉体の不気味なリアルに通じるが、背骨になるとジャコメッティになってしまう。
私が興味を持ったのは、ふいにあらわれる402ページの、洗濯物の描写。ここだけ、文体が違う。簡単に言い直せば松本清張が描くような女が動いている。つまり、私のようなおじさんにもわかる「現実」(作者が、現実ということばをつかっている)が書かれている。
若い人だけれど、幅広く「文学」を読みこなし、それを「いま、ここ」という形で展開できる作家なのだろう。
(ページ数は、文藝春秋のページ)
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通信講座郵便版

2021-02-08 09:06:09 | その他(音楽、小説etc)
入院中のため、メールでの現代詩講座は中断していますが、郵便での講座は可能です。
ご希望の方は、住所、氏名を明記の上、切手をはった返信用封筒を同封のうえ、下記あてに作品をお送りください。
819-8551
福岡市西区野方7-770
福岡リハビリテーション病院
南2、239号室
谷内修三(入院患者)

病室は変わることがあるあります。
入院患者と明記してください。
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転院しました。

2021-02-06 12:06:06 | 考える日記
やっと転院。
あと7週間ほどかかります。
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