■공조(共助)「コンフィデンシャル/共助」 2017年 〇〇〇〇〇
(48)
北朝鮮と韓国の刑事2人が主役のアクション映画。700万人以上の
観客を動員した2017年上半期最大のヒット作だ。(年間3位)
この映画では、偽ドル紙幣の銅板で一儲けをたくらみソウルに潜入
した北朝鮮出身の犯罪集団を逮捕するため、北と南の刑事が力を
合わせる。
△カーチェイスにはインフィニティも登場
最初は全く息が合わずぶつかってばかりいた2人が、捜査を続ける
中で、次第に打ち解け、信頼関係を結んでいく様子は、大げさに
言えば、朝鮮半島の未来の姿を期待させる。
元来、ノワール系の映画が好きな「ヲタク」ではあるが、この種の
アクション映画では、悪は倒れ、主役はたとえどんなに傷だらけに
なろうが、絶対に生き残らなければならない。
悪を倒した2人が、インチョン(仁川)の波止場で語り合うシーン
には、安堵感とともにちょっとしたカタルシスを感じた。
ちなみに、この作品には、少女時代のユナが、北の刑事に一目ぼれ
する南の刑事の義理の妹役で出演していたが、コミカルな役柄を
実に見事にこなしていた。
今年2月には、日本公開も予定されているとのこと。
是非、映画館で観てみたいものだ。
(終わり)
年末以降、ノワール系を中心に50本を超える韓国映画を見てきて
思うことの一つが、韓国社会では自国の情報機関(現国家情報院、
旧KCIA)に対するイメージが非常に悪いということだ。
「国家安保」や「北の脅威」を口実に、様々な謀略をめぐらし、
でっち上げ工作を行う一方、自国民の生命さえ平気で奪う韓国の
工作員が、映画には、しばしば登場する。
たとえば、2012年公開のヒット作「ランニングマン」で、主人公を
かくまった牧師を殺害したり、主人公の命をつけねらったのも、
韓国の国家情報院の要員たちだった。
例によって、最近の鑑賞作品のリストを記録しておく。
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■런닝맨 「ランニングマン」 2012年 〇〇〇--
(47)
偶然、ある殺人事件に巻き込まれ、軍事関係の重要機密を握って
しまったドジな中年男が、韓国の情報機関に命を狙われるハメに。
彼は、逃走を続けながら自らの潔白を証明するために悪戦苦闘する。
■수상한 고객들 「怪しい顧客たち」 2011年 〇〇〇〇-
(46)
保険金詐欺が怪しまれる3人の顧客の生命保険を年金保険へ
切り替えさせようと、それぞれに切羽詰まった状況にある顧客を
訪ね歩くうち、彼らの人生に深く関わっていくことになる保険会社
社員の主人公。
紆余曲折の末、顧客たちは危機を脱し、恋人とよりを戻した主人公も
含め、皆がささやかな幸せと生きる希望を取り戻して行く。
さわやかなハッピーエンドで終わるヒューマンなコメディ映画で
あった。
■소원 「願い」 2013年 〇〇〇〇-
(45)
実際に起きた凶悪な性犯罪事件を題材に、被害児童と家族の苦しみや、
彼らが生きる希望を取り戻していくまでの様子を描いた社会派映画。
映画では、事件の舞台がプサン近郊の昌原に設定されていたので、
プサン方言に慣れ親しんでいる「ヲタク」が、より深く感情移入
してしまうことになった。
事件のトラウマから父親にまで拒絶反応を示すようになった被害
児童が、ソーセージの着ぐるみ姿の父親に、再び心を開くシーンには
泣けた。
■브이아이피 「VIP」 2017年 〇〇〇--
(44)
米韓情報機関の保護下にある北朝鮮出身のVIP(父親が北の政府
有力者)は、過去、北朝鮮やロシア、韓国など数か国で猟奇的な
殺人を繰り返してきた殺人魔。
彼の犯罪は、その都度、北朝鮮の権力者や、彼を利用しようとする
各国の情報機関により隠蔽されてきた。
韓国の一人の諜報部員が、米韓情報機関の意向を無視し、ついに
VIPを香港で始末する。
■미스 푸줏간 「Miss Butcher」 2017年 〇〇〇--
(43)
全身麻酔を施した女性患者を犯す医者。借金のかたに女性を売り
飛ばす闇金業者。そんな女性の敵ばかりを始末する殺し屋は、
美人の精肉店主。
彼女を愛した刑事は、真実をつきとめた後、職を辞し彼女の元へ。
どうせ映画なのである。こういう恋があったっていい。
■회사원 「ある会社員」 2012年 〇〇〇--
(42)
大切な人の命を奪った組織に対する壮絶な復讐劇。
■지렁이 MY LITTLE BABY, JAYA 2017年 〇〇
(41)
一人娘をいじめ、犯し、自死に追い込んだ女子生徒3人、男子
生徒4人に対する、障がいを持つ父親の命をかけた復讐劇。
それにしても、脳性まひの障がい者が主人公になった復讐劇を
観るのは、この作品が初めてだった。
(終わり)