「揶揄」という表現はちょっと古風でお堅い漢字語だ。日本語ではあまり
使われない。
しかし、韓国語の場合、「야유(揶揄)」という漢字語表現がよく
使われている。ただし、意味的には日本語の「やじ」に近い表現だ。
ここ2、3日、スポーツ紙ネタが続くが、今日もまた、こんな記事が
「ヲタク」の目にとまった。
● 이승엽, 지바 롯데 팬들 야유에 '곤혹'
直訳調:イ・スンヨプ、ロッテファンの『揶揄』に困惑
(OSEN 2006年5月27日)
「ヲタク」としては、よりよい条件を求めたイ・スンヨプの気持ちも
理解できるし、イ選手に反感を持つロッテファンの気持ちも
十分に理解できる。
ただし、自らの人間性や品位を貶めるような「やじ」など飛ばして、
韓国のマスコミやファンの怒りを買うとなると話は別だ。
つまらない内容の「やじ」、あるいは差別的な「やじ」ではないことを
祈りながら記事を読み進めたが、OSENは「やじ」の内容について
詳しく触れてなかった。全体的に、極めて客観的な外信報道で
あった。
そこで一安心はしたのだが、「ヲタク」としてはやじの内容が
気になり、スポーツ報知のサイトで確認してみた。
結果的には、全くの肩透かしであった。と同時に、韓国語のいい
勉強になった。
スポーツ報知の記事の題名はこういうものだった。
● 「ロッテファンが李にブーイング」
(スポーツ報知 5月26日)
つまり、韓国語の「야유(揶揄)」はイコール「やじ」ではないのだ。
内容のある「やじ」だけではなく、内容のない「やじ」とも言える
「ブーイング」も含んだ表現なのだ。
今日(5月27日)のロッテ-巨人第2戦では、前日のロッテファンの
ブーイングにバットでお返しするように、第11号ホームランを放った
イ選手。
節度ある(?)ブーイングを浴びせたロッテファンも立派なら、
ホームランを放ったイ選手もさすがである。
胸のすくようなロッテの逆転劇をテレビ観戦しながら、また一つ
韓国語の勉強をした「ヲタク」であった。
それでは最後にOSENの記事を一部、翻訳して記録しておく。
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■ 이승엽, 지바 롯데 팬들 야유에 '곤혹'
イ・スンヨプ、ロッテファンのブーイングに「困惑」
(OSEN 2006年5月27日)
요미우리 이승엽(30)이 친정 팬들의 격렬한 ‘야유’을
받고 곤혹스러워하고 있다.
読売ジャイアンツのイ・スンヨプ選手(30)が古巣のファンから
激しいブーイングを浴び困惑している。
지난 26일 친정팀 지바 롯데 마린스와의 교류전을 앞두고
이승엽은 부담스러웠을 것이다. 지난 1월 요미우리 이적
과정이 매끄럽지 못해 지바 롯데와의 관계가 소원해졌기
때문이다. 돈보다는 주전 보장을 위해 이적했지만 당시
지바 롯데쪽의 반응은 냉랭했다. 아무래도 이승엽으로선
껄끄러운 만남이었다.
26日の古巣ロッテ・マリーンズとの交流戦を前にして、イ選手は
少なからず負担感を感じていたことだろう。今年の1月、
ジャイアンツへの移籍の過程でごたごたが生じ、ロッテとの
関係が疎遠になってしまったためだ。金銭よりもレギュラー
の座を求め移籍したものの、当時、ロッテ側の反応は
冷たいものだった。イ選手としては、なんともすっきりしない
ロッテとの再会であった。
그런데 더욱 무서운 것은 극성스러운 롯데 팬들의
반응이었다. 이날 도쿄돔 좌측 외야관중석을 가득 메운
롯데팬들은 경기 전부터 이승엽에게 야유를 퍼부었다.
스포츠전문지 스포츠닛폰은 ‘(이승엽이)타석에 들어서면
롯데 관중들이 엄청난 야유를 퍼부었다. 5회초 홈
악송구로 두 점을 줄 때는 거꾸로 “이승엽!”을 연호했다’고
생생히 묘사했다.
さらに怖いのが熱烈なロッテファンたちの反応だった。26日、
東京ドームの左翼席を埋めたロッテファンは、試合開始前から
イ選手にブーイングを浴びせた。スポーツ紙、スポーツニッポンは
「イ選手が打席に入ると、ロッテファンが激しいブーイングを
浴びせた。5回表、イ選手の悪送球で2点を奪われると、
逆に『イ・スンヨプ』を連呼した」と球場の雰囲気を生々しく伝えた。
스포츠호치 역시 ‘롯데팬이 이승엽에게 야유’란 제목을
따로 붙이고 ‘롯데 팬들은 선발 멤버 발표 때부터 이승엽에게
격렬한 야유를 보냈다. 그 탓인지 이승엽은 좋은 찬스에서
범타, 위기에서 결정적인 실책을 범했다’고 전했다.
また、スポーツ報知も「ロッテファン、イ・スンヨプにブーイング」との
題名を付けた記事で「ロッテファンは先発メンバー発表の時から
イ選手に激しいブーイングを浴びせた。そのせいか、イ選手は
チャンスに凡打し、ピンチの場面では決定的なエラーを犯した」と
報じた。