前回紹介した「お祈り石」(この語は私の勝手な訳語です。又、石と表記しましたが実際は土くれ、)はお祈りする時、絨毯にこの石をおき額をつけて平伏します。したがってお祈りする場所であるモスクにはこの写真のようにたくさんの「お祈り石」が用意されています。
ところでこの「お祈り石」を使用するのはシーア派だけです。そこで毎日のように新聞に出ている「シーア派」と「スンニー派」について少しだけ紹介しておきます。どの宗教でもたくさんの分派がありますがイスラーム教も例外ではありません。その代表的な宗派がスンニー派とシーア派で世界的には前者が多数ですが、イランでは後者が多数派です。 スンニー派はムハンマド(マホメット)の言行(スンナ)を尊重するところからきています。シーア派はムハンマドの従兄弟で娘婿のアリーの系統を指導者とする立場です。シーアというコトバは「派」という意味でアリーのシーア(アリーの派)のシーアが残ったものです。したがって厳密に言えば「シーア派」というのは「派派」ということになります。
さてこのアリーの息子でムハンマドの孫に当たるフサインが680年カルバラー(バグダードの近く)で殺されました。そのとき遺体を持ち出すことのできなかったので近くの土くれを持ち帰りそれが「祈り石」になったと添乗員の瀬川さんが説明してくれました。
日本に帰っていろいろ調べてもそのような話を見つけることができなかったので、再度旅行社に尋ねてみましたが良く判らなくイラン人の友達に尋ねてもらった結果、イスラームの教えでは人は神が土くれで作ったものでその土くれに返るという意味だとの返答でした。どちらが正しいのか、ご存知の方お教えください。