風のこたろう

'05年4月6日~'07年4月7日 ウランバートル生活日記
'09年8月~  詩吟三昧の徒然日記

足利論語と薪能の夕べ

2015年09月12日 | 論語と
須藤先生主宰の足利論語と薪能の夕べがいよいよやってきました。

台風接近のため、地方では、長雨と河川の氾濫で大きな被害がでていて、心配な毎日を送っていました。
そして、前日には、越谷、せんげん台あたりにも、水が出て、東武線の運行も怪しくなったり、心配が山ほどありました。

運よく、当日は雨も上がり、東武線の運行は平常通りになり、予定通り最寄り駅を出発し、待ち合わせのみなさんと無事会うことができました。

渡良瀬川の河川敷にも、かなり水が上がってきたようですが、足利市駅から鑁阿寺へと向かう道すがらや橋の上からの眺望には、さほど変わったところは、見えませんでした。

まちなか遊学館で、お昼を頂き、先生の講義、そして、漢詩二題の吟詠と予定通り、進みました。

薪能だけを見に来てくれた友人は、一人で、JR足利からやってきて、ちょうど講座が終わるころに間に合いました。

鑁阿寺の薪能は、国内の様々な場所での薪能の中でもピカイチの条件の良いところです。
町のざわめきの届かない静かな環境で、能舞台の松は、描いたものではなく、境内に植えられた能舞台用に枝ぶりを整えられている松です。

演目は、狂言は「鐘の音」 能は「通い小町」
山場に差し鰍ゥったとき、何かが訪れたかのように、風が吹いて、私たちの上に覆いかぶさるように茂っている枝が、さわさわとなりだしたのは、神がかっているような、幽玄の世界をより近くに感じる様な瞬間でした。


いつものホテルで、おいしい心づくしの夕食を頂き、早々と部屋に帰って、のんびりとした時間を過ごしました。

このビジネスホテルは、渡良瀬川のほとりに建ち、閑かで、空気がよく、水は柔らかいので、居心地良くお気に入りです。
何より、おかみさんが優しくて気づかいの行き届いたお方です。


翌朝は、6時に河川敷で素読です。
全日本素読の会のメンバーと、昨日の狂言師さんも参加してのにぎやかな顔ぶれで、論語の素読が続きます。

熟練者から初めての人まで、足利学校発行の論語抄を最初から最後まで、一人が一つの章句を先導し唱和します。

はじめの一歩で数か月詩吟を練習した方と最近論語の講座を受けて今日初めて、詩吟を聞くという方も、ご一緒でした。
朝食後の詩吟の時間も、特別心地の良い部屋を提供していただいて、二時間練習しました。

先生と私との縁を取り持ったキューピットさん〈と先生は言う)の想い出話の中で、早雲美術館も出てきました。
先生と李白の詩「山中問答」を書いた大きな掛け軸と縁がわでのとりとめのない話で縁が深まったエピソードは、皆の興味を引き付けたため、練習後の観光の目的地は、早雲美術館に決まりました。

とても小さな心地の良い早雲という人そのもののような場所は、先生も私も好きなところだけれど、どうやら、万人向けではなかったようで、あまりに私が熱く語るものだから、興味だけを引き起こしたようでした。
「これだけ?」というのが、感想になるほどの小さな美術館ですから。

美術館といえば、歩き疲れるくらいたくさんの展示があって当たり前なんだなぁ。。。

今度は、一人で来ることにしましょう。

さて、お昼前に足利市駅について、帰途につきました。

必ず座れるので、2回の乗り換えのたびに自然と隣り合わせたご一緒メンバーの誰かとおしゃべりが続く、のんびりとした2時間弱の旅は、親交を深める役にも立っていました。

最初から最後まで、楽しくて、面白くて、おだやかで、有意義な旅でした。

須藤先生、ありがとうございました。

これから先、論語の学びを深め、詩吟に親しむこの学びピアの教室は、これからも末永く続くでことを願っています。

詩吟の魅力を発見した人、課題を見つけた人、なによりも、私自身の多いなる学びがあり、先生の講義の、家の中がおさまってこそ、国が繁栄するのだという言葉は、私の詩吟の基礎を大事にして、いたいという思いにも通じる気がします。


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