(写真が何枚かあるので別記事にしてみました)
和歌山の河嶋果樹園さんからネーブルオレンジを取り寄せてみました。
こちらの果樹園は、「春峰」というおいしい柑橘を開発されたまさにその方の農園なのです。植物は好きなのに大体枯らしてしまう私にとっては、新品種開発なんて信じられない魔法のよう。緑の指の持ち主なのですね、きっと。
「春峰」について問い合わせたら、他の品種も育てているということなので、ふだん余り買わないネーブルオレンジと「はるみ」もお願いしてみました。
とても立派なオレンジが届きました。「家庭用」だけれど傷は特にみあたらず、綺麗です。味も甘くて濃厚でおいしいのです。橙色のものより黄色い柑橘(特に文旦)が好きな私にとっては、なにかで薄めたくなるくらい、甘いです。
豊富なオレンジを使って何か作ってみることにしました。
ネーブルオレンジのコンフィ、と、ママレード!
しばらく前、とても面白い作り方を見つけたので試してみたかったのです。マテスク理佐さんの「バスクの砂糖壺」というHPから。作り方はこちらその1・その2(サイトが閉鎖されたかどうかしてリンクが切れています))です。
なんと丸ごとオレンジをゆでるところから始めるのですよ!
作ったプロセスを書いてみます。(いろいろハプニングがあってオリジナルと変えてしまったのがどう出るか不安)
■オレンジコンフィ
■材料
ネーブルオレンジ 10個(約2キロ)ママレードの分も含まれてます。(和歌山の河嶋果樹園さんから送って頂きました)
砂糖(オレンジの90%)
レモン汁 (オレンジ1キロに対して1個分)
■作り方
1)オレンジを洗う。
2)オレンジに太針で等間隔にぷすぷすと穴を開ける。
私は糸を切るニッパー?のとがった方を使いました。等間隔の密度がよく分からなくて、約1cm程度の間隔にしてみました。
3)大鍋にたっぷりのお湯をわかし、2,3分ゆでこぼす。オレンジはゆすいでおく。
4)新たにお湯を沸かし、オレンジを15分程度煮る。
穴をあけたところから気泡がたちのぼってきます。
5)ゆだったオレンジを冷水に放し(水がぬるくなったらかえる)、水中に沈むようにして36~48時間おく。 ・・・というところを都合があって24時間できりあげました。24時間後にみたら、1個、皮が破れてはじけているものがありました。それはママレードにしました。なお、漬けてあった水をなめてみるとかなり苦みが出ていることが分かります。
6)(24時間後に早めてしまったので)また鍋にお湯をわかし、3個程度ずつ、7~8分ほどゆで、また水にさらす。
皮付近だけ熱くして、苦みを追い出させるため。大量に一度になべに入れると湯温が下がってしまい皮より果肉が煮えてしまいそうなので少量ずつにしました。これを確か2回やりました。
7)オレンジをざるにあげ、10~15分、表面を乾かす。
この工程は忘れてしまいました。濡れたまま次に移ってしまいました・・・。
-------------上記までの段階のあと、輪切りにすれば砂糖煮、フードプロセッサでみじん切りにすればママレードになります。
8)オレンジを1cm幅くらいの輪切りにする。(くし型でもいいらしい)
あまり薄切りにすると千切れやすいそうです。
9)鍋に輪切りオレンジを入れ、砂糖を全量入れ、小さな気泡が出る程度の弱火で10分ほど煮る。このあと36~48時間冷暗所でやすませる。
と書いてあったのですが、2キロのオレンジをママレード用に刻んだり、コンフィ用にスライスしたりしているうちにどっちが何キロか分からなくなってしまったのでした。なので砂糖適量を入れて煮ました。
また、オレンジからさほど水が出てこなかったので、ひたる程度に水を加えました。完全にシロップにひたる状態で瓶詰め保存したいので。
10)36~48時間後、レモン汁を加えて火にかけ、アクをとりながら30~40分煮る。そのあとまた24時間おく。
この段階で皮が十分柔らかくなるまで煮る、ということですね、きっと。
実はこの段階で吹きこぼしてしまい、また水と砂糖を足したのでした。30~40分も煮たかなあ。パソコンと台所を往復して作業したのだけれど、このくだりは読み飛ばしたような気がする。
11)オレンジをざるに空け、シロップだけ沸騰させてオレンジを戻す。また1日おく。
12)この作業を3~4回繰り返し、シロップがはちみつのような濃度になりどろっとまとわりつくようになったら完成だそうです。
私は、はちみつまではいかないものの、ぽたっと垂れたシロップにさわると、べたついて大変だ~、という状態で瓶詰めすることにしました。
写真がよくないのですが、だんだん色が濃くなっていきます。
13)瓶詰め、密封して保存。
瓶詰めしようと思ったら、用意した瓶に輪切りオレンジが入らない!
頭わるし!
別のびんを洗って消毒(私はオーブンで20分ほど加熱してます)して、ようやく瓶詰め完了。
2007/2/23作 オレンジコンフィ 2びんできました。
(河嶋果樹園ネーブルオレンジ、ビート糖、果糖、レモン汁、水)
途中、えー、上記に書いていない問題も結構あったので、また作りたいです。あと5個オレンジがあるのだけれど、そのまま食べたい気持ちと加工品を作りたい気持ちが拮抗しているうちに、だんだんしなびてきたような・・・。茹でれば皮はふくらむかしら。 もう一箱買っちゃおうかな~~。
この作り方で興味深いのは皮の苦み抜きを、丸のまま行う、ということ。
これによって果肉のついたままの輪切りのコンフィが出来る訳です。
この方法は他の柑橘にも応用できるのだろうか。例えば八朔とか。八朔は外皮が厚く苦みも強く、袋の皮も厚く苦いのできっと向かないだろうな。
とても面白い方法なので他の柑橘でも試してみたいけれど。
とても時間がかかるのですが、個々の作業自体はそれほど大変ではありません。
比較的寒い時期(糖分浸透のためねかせる必要がありますから)、存在を忘れるくらいのつきあい方で作るのならさほど負担にならないのではないかしら。
出来上がりの色がとてもきれいでちょっと感動です。
フォートナム&メーソンのショーケースにあったオレンジコンフィみたいです。あれはオレンジが特別なのかと思っていましたが(それもあるかも知れませんが)、煮つめていくことによって出る色だったのです。
シロップもオレンジ色になってなんだかいい香りです。砂糖による浸透圧で果汁やオイル分が沁みだしてみたのではないかしら。
コアントローと混ぜてフルーツケーキに塗ったりなど、いろいろ使えそうです。