先日、山のきのこを色々頂いたのですが、その中にひとつ、変わったきのこが入っていました。
それがこちら。 |
あまりに特徴的な形なので以前図鑑で見ただけですが見覚えはありました。食べられるきのこです。
でも問題が。
悪臭です。
箱を開けた瞬間からえもいわれぬ刺激臭がします。
図鑑で読んではいたけれど、この臭いなのね・・・・。まさに悪臭です。(この臭いで蠅をおびきよせて、胞子の拡散に役立てるそうです)
臭いのもとは傘の部分を覆うグレバ(粘液状のもの)で、これを洗い流してから調理すると書いてあります。
送って頂いたこのきのこは、傘の粘液はないのですが、どうやら雨か何かで流された粘液が軸にこびりついているようなのです。
出かける用事があったため、すぐには調理出来ません。ひとまず新しい新聞紙とビニールに包んで冷蔵庫に入れておくことにしました。
野菜室が悪臭で汚染されるかも!?
ええい、ままよ!
そして夕方、調理開始です。
冷蔵庫を開けてみると、幸い臭いはほとんど漏れていないようです。
図鑑にあったように、まずさっと茹でてもみ洗いして(意外と丈夫です)水に晒してみます。
しばらく置いてはみたものの、なかなか匂いが落ちません。
なのでもう一度茹でて晒します。
水をかえながら1時間くらいは晒したでしょうか。
ようやく匂いが落ち着いたので、冬瓜のスープ煮に刻んで入れてみました。念のため、スープの鍋に放り込むのではなく、1杯だけ取り分けて、その器にきのこを入れました。
スッポンタケスープの出来上がり。 |
カサの部分はツルツルコリコリして、湯葉のような食感です。
軸の部分は、竹輪のように中空で、ある種の梱包材のように泡状の組織で、シャクシャクした食感です。
どちらも歯ごたえはいいけれど、きのこ自体に味というものはあまりないかもしれません。
そしてむしろ印象深いのは、よく晒したつもりでもほのかに立ち上る刺激臭・・・。毒ではないと分かっていても、本能がアラームを鳴らしてしまうような臭い。複雑な気分です。
臭み系で誤魔化すため、香菜を散らすとよかったかもしれないな・・・。
試食はまあよかったけれど、問題はその後でした。
調理中にゆで汁をぽたりとこぼした場所や、鍋からつまみ上げたお箸から、 何だかあのニオイが立ち上ってきます。
そこら中洗ったり拭いたりしたつもりですが、翌日もどこかにゆで汁が垂れたのか、ふとあのニオイを感じることがありました。
どうやらこのニオイ物質は、空気感染(?)はしないものの、とても長持ちする成分のようです。
スッポンタケ、味は悪くないものの、周辺を汚染してしまう、デンジャラスなきのこでした。
これが我が家の近くに沢山生えていなくてよかったかも。
食べようか、臭いからやめようか、悩まずに済みます・・・・。
というか、あまりにくさいので、密室である車に積み込んで持って帰るのは不可能ではなかろうか・・・。
もし摘むなら、次のポイントに気をつけるとよいと思われます。
・成長したばかりの、軸が真っ白で粘液が付着していない新鮮なものを選ぶ。
・軸に絶対に粘液がつかないように、採取地点で軸と傘を別々にし、持って帰る。
・傘はよく洗う。軸と茎は別々に茹でて晒す。
・シンク内部や鍋、ボウル、菜箸など作業中に使用した器具はよく洗う。
それにしても、送って頂いたからこそ出来た、いい経験でした!
onoさん、わらびさん、ありがとうございました!!
■スッポンタケ参考情報
スッポンタケの成長観察と幼菌・成菌試食記 幼菌は臭くないそうです。
スッポンタケ幼菌試食記