例年通り三井住友FGの総会に行くべきか迷ったが、今までに行ったことがなかったので、九段下の武道館で開催された三菱UFJFGの株主総会に出かけた。
システム統合の問題以外では、サブプライム問題の被害も少なく、これと言った深刻な問題もなかったので、非常に平穏無事な総会で、株主質問も取り立てて目ぼしいものもなく、面白くなかったので、多くの客に従って12時過ぎに会場を出た。
外からの印象だけだが、最初に統合された東京銀行の面影など全くなくなり、東海は勿論、灰汁の強かった三和も吸収されてしまって、完全に三菱カラーに染まったメガバンクになったと言う感じであるが、誤解であろうか。
ところで、武道館の入場口までは、大変な距離だが、その通路に沿って黒い背広を身につけた行員が並んで株主に挨拶、武道館の上の階まで、等間隔で、びっしり行員が並んで待機しているのは異常な雰囲気である。
みずほや三井住友と違って、三菱UFJは、入口でユーハイムのクッキーをお土産に手渡し、ドリンク・サービスを行っていて、一寸、和む感じである。
会場は、平土間はほぼ満席になったが、二階以上は殆ど空席で、みずほの場合もそうだったが、ソニーやニッサンの時のようには株主客数は多くない感じである。
定刻少し前に、役員達が入場を始めたのだが、数秒も違わず、10時ジャストに、畔柳社長が議長席に登壇して総会の口火を切るなどと言う、ヒットラーでも不可能であったと思われるような神業を演じるなどは、流石に三菱である。
カンニング・スクリーンは、演台の机上にあるのだろうが、みずほの前田社長と違って、畔柳社長も、他の役員達も、殆ど、見ずにぶっつけ本番で株主の質問に応答していた。
やはり、問題となったのは、他行と比べて損失が少ないと言っても、サブプライム関連の損失である。
最初の説明では、サブプライム直接の損失は、815億円と回答していたが、その他の損失を加えて、3月末での損失は、1230億円で、バランスシート上では、経常費用のその他業務費用の項目に計上されていると修正。
あれだけ問題になっているのに、添付書類の第3期事業報告書には、サブプライム関連の損失について何も説明されていないと株主から苦情が出ていた。
更に株主の追及で、畔柳社長が、第2次、第3次の証券化商品はやっていないと説明していたのだが、斎藤専務が、3月末現代で、更に、サププライム関連の第2次、第3次やレバリッジの高い証券化商品などを3兆3千億円所有しており、10%毀損しているとすると、損失は3000億円強であるが、格付けの高いリスクの少ない商品なので、評価損は少なく、中長期で保有し続けたいと説明していた。
サブプライム問題は緒に就いたところで、まだまだ、どんどん悪化していくと言う観測もあり、そんな暢気なことを言って居れるのかと思っている。
ここでも、全体として200兆円もの資産を、十分にリスク管理に意を用い投資内容を検討して分散投資をしており、それに比べれば、サブプライム関連投資は少なく、それに、世界全体の損失から言ってもインパクトが少なく、想定内の損失に過ぎないと言う認識が働いている。
銀行業務に対する顧客としての不満等質問が分散しながら終盤に差し掛かっても、まだ、株主からサブプライムに関する質問が続いたので、会場を出てきてしまったが、畔柳社長は、つまらない質問にも実に辛抱強く付き合っていて、株主にしゃべらせるだけしゃべらせて、上手く毒気を抜いていたのは流石だと思った。
ところで、MUFGのキャッチフレーズであるQuality for You とは一体何なのか。
総会前に、会場のスクリーンで、MUFGが、如何に、世の為、人の為に貢献しているか、CSR(企業の社会的責任)活動について、盛んに宣伝していた。
丁度、会場に来る途中の電車の中で、ロバート・B・ライシュの「暴走する資本主義」を読み終えたところで、この中で、ライシュが、まやかしの企業のCSR活動が如何に企業の本来の目的に反する行為であるかを、ミルトン・フリードマン以上に激烈な調子で非難していたのを知っていたので、しらけながら見ていた。
尤も、役員は誰も、CSRやグローバル・グッド・シティズンシップについてなど語らなかったし、対処すべき課題にも、触れられていないので、ただの社会へのリップサービスであろうか。
コンプライアンスと内部統制に力を入れること、そして、とにかく、懸案のシステム統合を完成させて新システム移行によって業務を合理化して業績を上げたい、企業価値を向上させたい、と言うのが当面の最大の課題であろうか。
今、NHKの土曜ドラマ「監査法人」で、銀行が自分達の利益の追求の為に、如何にえげつないことをしてきたかと言うことを報道し続けている。
お客さまや社会から強く支持される『世界屈指の総合金融グループ』を目指すと言う事だが、道は遠い。
一寸気になったのは、みずほと違って、グローバルの話が殆ど聞かれなかったけれど、世界に冠たる地歩を築いて世界に雄飛していた東京銀行のDNAはかき消されてしまったのであろうか。
システム統合の問題以外では、サブプライム問題の被害も少なく、これと言った深刻な問題もなかったので、非常に平穏無事な総会で、株主質問も取り立てて目ぼしいものもなく、面白くなかったので、多くの客に従って12時過ぎに会場を出た。
外からの印象だけだが、最初に統合された東京銀行の面影など全くなくなり、東海は勿論、灰汁の強かった三和も吸収されてしまって、完全に三菱カラーに染まったメガバンクになったと言う感じであるが、誤解であろうか。
ところで、武道館の入場口までは、大変な距離だが、その通路に沿って黒い背広を身につけた行員が並んで株主に挨拶、武道館の上の階まで、等間隔で、びっしり行員が並んで待機しているのは異常な雰囲気である。
みずほや三井住友と違って、三菱UFJは、入口でユーハイムのクッキーをお土産に手渡し、ドリンク・サービスを行っていて、一寸、和む感じである。
会場は、平土間はほぼ満席になったが、二階以上は殆ど空席で、みずほの場合もそうだったが、ソニーやニッサンの時のようには株主客数は多くない感じである。
定刻少し前に、役員達が入場を始めたのだが、数秒も違わず、10時ジャストに、畔柳社長が議長席に登壇して総会の口火を切るなどと言う、ヒットラーでも不可能であったと思われるような神業を演じるなどは、流石に三菱である。
カンニング・スクリーンは、演台の机上にあるのだろうが、みずほの前田社長と違って、畔柳社長も、他の役員達も、殆ど、見ずにぶっつけ本番で株主の質問に応答していた。
やはり、問題となったのは、他行と比べて損失が少ないと言っても、サブプライム関連の損失である。
最初の説明では、サブプライム直接の損失は、815億円と回答していたが、その他の損失を加えて、3月末での損失は、1230億円で、バランスシート上では、経常費用のその他業務費用の項目に計上されていると修正。
あれだけ問題になっているのに、添付書類の第3期事業報告書には、サブプライム関連の損失について何も説明されていないと株主から苦情が出ていた。
更に株主の追及で、畔柳社長が、第2次、第3次の証券化商品はやっていないと説明していたのだが、斎藤専務が、3月末現代で、更に、サププライム関連の第2次、第3次やレバリッジの高い証券化商品などを3兆3千億円所有しており、10%毀損しているとすると、損失は3000億円強であるが、格付けの高いリスクの少ない商品なので、評価損は少なく、中長期で保有し続けたいと説明していた。
サブプライム問題は緒に就いたところで、まだまだ、どんどん悪化していくと言う観測もあり、そんな暢気なことを言って居れるのかと思っている。
ここでも、全体として200兆円もの資産を、十分にリスク管理に意を用い投資内容を検討して分散投資をしており、それに比べれば、サブプライム関連投資は少なく、それに、世界全体の損失から言ってもインパクトが少なく、想定内の損失に過ぎないと言う認識が働いている。
銀行業務に対する顧客としての不満等質問が分散しながら終盤に差し掛かっても、まだ、株主からサブプライムに関する質問が続いたので、会場を出てきてしまったが、畔柳社長は、つまらない質問にも実に辛抱強く付き合っていて、株主にしゃべらせるだけしゃべらせて、上手く毒気を抜いていたのは流石だと思った。
ところで、MUFGのキャッチフレーズであるQuality for You とは一体何なのか。
総会前に、会場のスクリーンで、MUFGが、如何に、世の為、人の為に貢献しているか、CSR(企業の社会的責任)活動について、盛んに宣伝していた。
丁度、会場に来る途中の電車の中で、ロバート・B・ライシュの「暴走する資本主義」を読み終えたところで、この中で、ライシュが、まやかしの企業のCSR活動が如何に企業の本来の目的に反する行為であるかを、ミルトン・フリードマン以上に激烈な調子で非難していたのを知っていたので、しらけながら見ていた。
尤も、役員は誰も、CSRやグローバル・グッド・シティズンシップについてなど語らなかったし、対処すべき課題にも、触れられていないので、ただの社会へのリップサービスであろうか。
コンプライアンスと内部統制に力を入れること、そして、とにかく、懸案のシステム統合を完成させて新システム移行によって業務を合理化して業績を上げたい、企業価値を向上させたい、と言うのが当面の最大の課題であろうか。
今、NHKの土曜ドラマ「監査法人」で、銀行が自分達の利益の追求の為に、如何にえげつないことをしてきたかと言うことを報道し続けている。
お客さまや社会から強く支持される『世界屈指の総合金融グループ』を目指すと言う事だが、道は遠い。
一寸気になったのは、みずほと違って、グローバルの話が殆ど聞かれなかったけれど、世界に冠たる地歩を築いて世界に雄飛していた東京銀行のDNAはかき消されてしまったのであろうか。