熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

格安旅行ならメキシコへ・・・ニューヨーク・タイムズ

2009年05月10日 | 海外生活と旅
   Flu? What Flu? 
   そんなタイトルで、格安旅行をしたければ、メキシコにトライせよ、とニューヨーク・タイムズが記事を書いた。
   何しろ、メキシコ経済を支えている最大の稼ぎ頭は旅行関連事業で、昨年の収入は、133億ドルで、雇用総数は200万人、経済の8%を占めているのだが、世界的な大不況に加えて、今回の豚の新型インフルエンザが追い討ちをかけたのだから堪らない、壊滅的な打撃を受けたのである。
   
   この影響で、GDPのダウンは、0.3~0.5%だと見込まれている。
   ホテルは、50~70%のディスカウントは当たり前になり、観光会社も、保険や無料サービスなど色々な特典を付けてインフル・フリー・キャンペインにこれ努めており、それに、メキシコ政府自らも、減税やローンで21億ドル、観光産業に、その他の援助支出4.5億ドルを発表するなど、官民こぞって、観光事業の失地回復に動き始めたと言う。

   この口絵写真は、NYTからの借用だが、カンクンのホテルで、浜辺では客は皆無で閑古鳥どころではないのだが、1ヶ月でホテルの占拠率は77%から42%にダウン。しかし、これは公表数字であるから、もっと悪い筈で、クルーズ船も、メキシコの全港で、キャンセルされている。
   メキシコ・シティでは、市政府が、自ら、ホテルやレストランなど一切を閉鎖させ、情報公開や説明義務を果たすなど前向きの対応が多少評価されていると言うが、アメリカの旅行業者は、バーゲン以外に、観光客を呼び戻す方法はないと突っぱねている。
   4週間前と比べて、メキシコへのパッケジ・ツアーは、5月で70%、6月で50%安だと言われている。

   メキシコでのインフルエンザ感染者が1360人、死亡者が45人だと発表されているが、残念ながら、メキシコ政府の発表より現実はもっと深刻で、もっと以前から国内で感染しており全土に広がっていたのではなかったかと思っている。
   もう、大分、メキシコには行っていないので断言は出来ないが、メキシコは、貧富の差が激しく、特に地方の貧しさは深刻で、アメリカもそうだが、健康保険に入っていない国民が相当数いて、治療や健康管理、それに、衛生健康行政の遅れには、かなり問題を抱えている筈である。

   さて、メキシコの観光だが、私自身、仕事の出張が主体だが5~6回メキシコに行っていて、それなりに、観光ガイドに書かれている程度の観光は経験しており、確かに豊かな歴史と伝統のある素晴らしい国だと思っている。
   子供の頃、文明の頂点に達した帝国の都が、何故か、どんどん放棄されて移って行くので、当時の姿のままでジャングルに埋もれてしまい、近年、掘り起こされて欧米人を驚かせていると言う話を本で読んで興味を持って、是非、マヤ、アズテック、インカなどの古代ラテン・アメリカ文化の遺跡を訪れたいと思っていたので、
   メキシコ・シティや郊外のアズテック遺跡、ウシュマルやチチェン・イッツアのマヤ遺跡に行って、実際に、廃墟に立った時には、感激しきりであった。
   その後、ペルーで、マチュ・ピチュやクスコでインカ文明に接したのだが、わが祖先と同じモンゴリアンのアメリカ原住民もある、アリューシャン海峡を渡ってマゼラン海峡まで達した同胞が、築き上げた高度な文化文明が遠く離れたラテン・アメリカにあったと思うと、誇らしい気持ちになったのを覚えている。

   日本でも、感染者が出たと言うが、経済社会がグローバル化して便利になった分、病気も一気に国際的に伝播する。
   グローバリゼーションの光と影である。
   
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする