「イノベーターズ ジレンマ」で一世を風靡したイノベーション論の大家クリステンセンが、企業の盛衰を説きながら、最高の人生を生き抜くためには、如何にあるべきか、正に、人生のイノベーションを論じた本であろうか。
イノベーションを起こして成功したが故に、衰退して行く優良企業の姿を説いた、イノベーターの陥るジレンマが、正に、実人生においても、優秀故に名声や富を得て頂点に上り詰めた人間が、不幸に陥ってしまうと言う、相通じる理論展開を彷彿とさせて、非常に興味深い。
原書のタイトルは、"How Will You Measure Your Life?"で、冒頭で、How can I be sure that I'll find satisfaction in my career? How can I be sure that my personal relationships become enduring sources of happiness? How can I avoid compromising my integrity—and stay out of jail?と問う。
満足なキャリアーとは?、幸せを担保する個人的な人間関係は?、誠実に生き罪つくりをしない生き方は?
これら総てを満たす生き方が確実に出来ますか、と言う問いかけであり、徹頭徹尾、これを実行してきた自分自身の生き様を、自身のイノベーション論で展開してきた豊富な企業の盛衰のケースを例証しながら、実に、懇切丁寧に、愛情を込めて語りかけながら、指針を説いている。
幸せなキャリアを歩む、幸せな関係を築く、罪人にならない、と言う3部構成で語られているのだが、やはり、経営学者で、優先事項、計画と機会のバランス、資源配分と言った戦略プロセスや、その実行などから説き起こして、まず、実際の企業のイノベーションの盛衰を理論建てして論点を明確にして、人生論を展開しているのだが、私には、経営学書であると同時に人生論書であって、非常に興味深い本であった。
クリステンセン教授は、
多くの上昇志向の強い教え子たちが、昇進や昇給やボーナスなどの見返りが今すぐ得られるものを優先し、自分と家族の為に派手なライフスタイルを賄うために、もっと欲しいもっと豊かになりたいと骨身を削って奔走し、立派な子供を育てるといった、長い間手をかける必要があるもの、何十年も経たないと見返りが得られないものをおろそかにする。
出世コースを走るあまり、このような資源配分生活が固定化してしまって、家族との関係に時間や労力を費やすることなく、伴侶との関係をなおざりにして、気が付かないうちに、ついには墓穴を掘ってしまう。
人生に明確な目的と戦略を持つことは大切だが、自分の持てる資源を、戦略に相応しい方法で投資し、正しく実行されなければ意味がないと言うのである。
仕事でこうなりたいと思う自分に没頭し、家庭で成りたい自分になることを疎かにする。
立派な子供を育て、伴侶との愛を深めることに労力をかけても、成功したと言う確証を得られるのは、何十年も先のことである。
したがって、キャリアに投資するあまり、家族には十分な投資をしなくなる。
そうして、人生の大切な部分から、花開くために必要な資源機会を奪っている。
自分の真に価値ある優先事項に沿った方法で、資源を配分することに心を砕くべきで、自分の成功を評価する物差しを、自分にとって最も重要な問題に合わせる必要がある。
総てを適切な時間帯で考えるべきで、長期を疎かにして短期に集中しがちな、自然な傾向を覆すべきである。
これが、クリステンセン教授の本のタイトル"How Will You Measure Your Life?"の意味であり、結論であろう。
極めて真っ当な当たり前のことなのだが、この単純な当たり前のことが持続できなくて道を踏み外す人が如何に多いか、一寸した気の緩みが大きく横道に反れて蹉跌を招く人生が如何に多いことか、イノベーションのジレンマに陥って成長を維持できない企業も、成功しながらも不幸に泣く人間も同じこと。
最後に、クリステンセン教授は、家族と信仰が、自分の自画像を描く上で重要なインスピレーションを与えたと言って、成りたい自画像を示している。
・人がよりよい人生を送れるよう助けることに身を捧げる人間
・思いやりがあり、誠実、寛容で、献身的な夫、父親、友人
・神の存在を信じるだけでなく、神を信じる人間
私には、聖人君子のようで、近寄りがたいが、人生の指南書としてはともかく、5~6冊読んだクリステンセン教授のイノベーション論のやさしい復習書として読ませて貰った感じで、非常に面白かった。
先に、この本の論点を2点引用してブログを書いたが、まだ、2~3書けそうである。
イノベーションを起こして成功したが故に、衰退して行く優良企業の姿を説いた、イノベーターの陥るジレンマが、正に、実人生においても、優秀故に名声や富を得て頂点に上り詰めた人間が、不幸に陥ってしまうと言う、相通じる理論展開を彷彿とさせて、非常に興味深い。
原書のタイトルは、"How Will You Measure Your Life?"で、冒頭で、How can I be sure that I'll find satisfaction in my career? How can I be sure that my personal relationships become enduring sources of happiness? How can I avoid compromising my integrity—and stay out of jail?と問う。
満足なキャリアーとは?、幸せを担保する個人的な人間関係は?、誠実に生き罪つくりをしない生き方は?
これら総てを満たす生き方が確実に出来ますか、と言う問いかけであり、徹頭徹尾、これを実行してきた自分自身の生き様を、自身のイノベーション論で展開してきた豊富な企業の盛衰のケースを例証しながら、実に、懇切丁寧に、愛情を込めて語りかけながら、指針を説いている。
幸せなキャリアを歩む、幸せな関係を築く、罪人にならない、と言う3部構成で語られているのだが、やはり、経営学者で、優先事項、計画と機会のバランス、資源配分と言った戦略プロセスや、その実行などから説き起こして、まず、実際の企業のイノベーションの盛衰を理論建てして論点を明確にして、人生論を展開しているのだが、私には、経営学書であると同時に人生論書であって、非常に興味深い本であった。
クリステンセン教授は、
多くの上昇志向の強い教え子たちが、昇進や昇給やボーナスなどの見返りが今すぐ得られるものを優先し、自分と家族の為に派手なライフスタイルを賄うために、もっと欲しいもっと豊かになりたいと骨身を削って奔走し、立派な子供を育てるといった、長い間手をかける必要があるもの、何十年も経たないと見返りが得られないものをおろそかにする。
出世コースを走るあまり、このような資源配分生活が固定化してしまって、家族との関係に時間や労力を費やすることなく、伴侶との関係をなおざりにして、気が付かないうちに、ついには墓穴を掘ってしまう。
人生に明確な目的と戦略を持つことは大切だが、自分の持てる資源を、戦略に相応しい方法で投資し、正しく実行されなければ意味がないと言うのである。
仕事でこうなりたいと思う自分に没頭し、家庭で成りたい自分になることを疎かにする。
立派な子供を育て、伴侶との愛を深めることに労力をかけても、成功したと言う確証を得られるのは、何十年も先のことである。
したがって、キャリアに投資するあまり、家族には十分な投資をしなくなる。
そうして、人生の大切な部分から、花開くために必要な資源機会を奪っている。
自分の真に価値ある優先事項に沿った方法で、資源を配分することに心を砕くべきで、自分の成功を評価する物差しを、自分にとって最も重要な問題に合わせる必要がある。
総てを適切な時間帯で考えるべきで、長期を疎かにして短期に集中しがちな、自然な傾向を覆すべきである。
これが、クリステンセン教授の本のタイトル"How Will You Measure Your Life?"の意味であり、結論であろう。
極めて真っ当な当たり前のことなのだが、この単純な当たり前のことが持続できなくて道を踏み外す人が如何に多いか、一寸した気の緩みが大きく横道に反れて蹉跌を招く人生が如何に多いことか、イノベーションのジレンマに陥って成長を維持できない企業も、成功しながらも不幸に泣く人間も同じこと。
最後に、クリステンセン教授は、家族と信仰が、自分の自画像を描く上で重要なインスピレーションを与えたと言って、成りたい自画像を示している。
・人がよりよい人生を送れるよう助けることに身を捧げる人間
・思いやりがあり、誠実、寛容で、献身的な夫、父親、友人
・神の存在を信じるだけでなく、神を信じる人間
私には、聖人君子のようで、近寄りがたいが、人生の指南書としてはともかく、5~6冊読んだクリステンセン教授のイノベーション論のやさしい復習書として読ませて貰った感じで、非常に面白かった。
先に、この本の論点を2点引用してブログを書いたが、まだ、2~3書けそうである。