全員ディフェンス・全員オフェンス

辰巳ジャンプ5年生の伸びは著しく、夏休み終盤に入って(江東区は25日から学校が始まるので、18日なのに終盤と言わなくてはならないのが何となく残念)、新しいステージに入ることができています。

バレーボールをする人は誰もがアタッカーをやりたいと思うはずです。自分が高い打点から、相手コートにバシッと突き刺すようなスパイクを決める姿をイメージしてあこがれているに違いありません。小学生バレーボールはフリーポジション制なので、役割分担がしっかりしていて、特にレシーバーは専門職のリベロのようなプレーばかりをしているチームもあるかと思います。しかし、全国大会に勝ち抜くようなチームは、全員がスパイクを打てるように練習し、全員がレシーブ力をつけ、どこからでもトスが上がり、サーブでも全員が得点できるようになるまで練習しているわけです。

我がチームも決定力こそ低いのですが、なんとかコートにいる全員が“スパイクもどき”を打てるようなシステム練習に入ってきました。5年生の能力が良いとはいえ、身長が高いわけでもなく、ごくごく普通の小学生バレーボーラー集団なので、できるだけ早いテンポのバレーを目指そうと思っています。




ところで今日は、受験を考えている子に、ちょっとだけ厳しい指導をしました。というのも、受験を考えているにしては、練習ノートに書いてくる文章が「書かされている」内容の文章だからです。書かされているとは、ノートを書いてこないと私に練習させてもらえなくなるから書いているということです。他の子どもたちが、かなり「強い意志」を書き込んでいるのに比べて、ちょっと差があり過ぎるので、本人たちの意思を確かめさせてもらいました。

練習ノートに自分自身の「強い意志」を書き込んでいくような書き方ができなければ、どんなことをやっても負けるのです。受験というものは、たんなる勝負です。バレーボールやサッカーと同じように、練習を重ねて問題に慣れ、自分の頭の中に作ったたくさんの引き出しの中から適切な解答を出すだけのことです。ようするにバレーボールでも反応力の高い子、忍耐力のある子、意志の強い子は受験でも勝てるわけです。

長い教員生活の中で、半分近い10回も卒業学年の担任をしてきた「6年生専科」の私は、自分の学級の受験合格率の高さには自信を持っています。特にここ最近の何年間かは「受験に勝つための学級経営」を開拓してきました。それは甘ちゃんな指導ではありません。受験の心得をことあるたびに厳しく厳しく問いかけていくことをするのです。当然、その子どもたちは小学校生活の模範生となっていき、責任感や忍耐力、思いやりの心を伸ばしながら合格していきました。

小学校の教師は受験指導をしない、塾任せと言われますが、私はそうは思いません。塾へ行く時間よりも学校で勉強している時間の方がはるかに多いのです。6年生の授業時間は年間1000時間を超えます。週に3回、3時間の塾通いをしたとしても、週9時間×52週=468時間。学校の半分にもなりません。この1000時間を無駄にする子は落ちます。「1000時間、自分の力を伸ばすために授業を使うんだ」ということが腑に落ちている子は、確実に合格します。

さらに、学校や塾だけでなく、「家庭生活」の中で、いかに「思考力」「判断力」「表現力」を伸ばすかで合否が決まります。よく中学受験は「親の受験」だと言われるのは、こうした母親の知的な語りかけがあったればこそ道が開かれるのです。それが難しいご家庭は、運良く「思考力を鍛えてくれる担任」に恵まれれば、子どもの力が伸びるでしょう。


辰巳ジャンプの練習では、自分で「考える」「判断する」「表現する」という三本柱をしつこくしつこく指導しています。そのため、辰巳ジャンプを卒業していった子たちの多くは、中学や高校で「キャプテン」になります。監督の思いを理解し、チームのみんなのことを考えていく「リーダー教育」をしているつもりです。

身体に汗するだけでなく、「思考力」を使って大脳も汗して、いろいろなことを即座に「判断」することで脳幹にも汗して、たくさんの言葉や身体表現を使うことで「五感」も汗して、頭の良いバレーボーラーを育てたいと思います。


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