地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

新ジャカルタ炎鉄録 (8) 東急8608F排障器無

2010-09-02 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 スカートがない東急車つながりで……ジャカルタの話題の続きです。
 ドゥリの線路市場で8611Fを激写したのちジャカルタ・コタ駅に向かってみますと、昨年初めて訪れた際にはとてつもない混沌の世界のように思えたジャカルタ・コタ駅が、極めて落ち着いた寛ぎの空間に見えてくるからあら不思議 (^^;)。実質3日間の撮影のうち、チルボン近郊の神奈臨DD55と並んで最も濃いぃシーンをドゥリで決めた!という、言わば「撮りきった感」で満たされていた私の脳裏には、残りの半日を徹底的に頑張ろう!という根性はほとんど残っておらず (笑)、しかもジャカルタ・コタ駅の「まったりぶり」でますます張り詰めた気合いも消えてしまいましたので(特に初めて行かれる方へ:現実には決して「まったり」なんてことはありませんので要注意!)、「はぁ~、残り時間はお気楽に乗り鉄メインにするかぁ♪」ということに (笑)。
 しかし、そこで一体何に乗るかが次の問題。初日に乗った「JALITA」8613FのエコノミーACによるボゴールへの山登りは、車内の喧噪ゆえにイマイチ消化不良気味で終わってしまいまして、ここは是非急行「パクアン」で挽回したいところでしたが、果たして日中の「パクアン」運用に8500系が入っているのかどうかが大問題……。撮影初日の日中の「パクアン」には1本も8500系が入らず大ショックを受けましたので……。それでも、何事も切符を買って賭けに出なければ始まらないというもの。エコノミーACの倍・11,000ルピアの急行切符を買ってフラフラと改札内に入り、腹が減ったため立ち売りのミー・アヤムをすすっていたところ……ぬほっ♪8608Fの「パクアン」来たぁぁぁっ!! バンザーイ!! \(^O^)/



 というわけで、ジャカルタ・コタからボゴールまでの約60kmを約60分で走り切る「パクアン」8500系の力強い走りを今回も満喫して参りました v(^O^)v 午後1時に発車した列車は、ジャヤカルタ~サワー・ブサールのような雑魚い駅 (^^;) を通過して、その代わりにガンビール駅に停車するという「格の違い」をまず体感させてくれたのち (これは実際に利用してみて初めて理解できる感覚でしょう……^^;)、マンガライをゆっくりと通過していよいよボゴール線へ! 何故かドゥレン・カリバタに停車したあとは (乗降客の風体から新興のビジネス・ハイテク企業街が近い?)、ひたすらボゴールまでノン・ストップ!ということで、デポックまでは近郊住宅・文教街を縫って走る緩い上り坂を快調に飛ばし、デポックからは高原の街・ボゴールへ向けてモーターの唸りがいよいよデンジャラスに盛り上がります♪ とりわけ、チレブット~ボゴール間の約9kmは、行けども行けどもカーブ混じりの急勾配と熱帯雨林の大展望で、そんな世界を8500系が過激に登って行くのですから、気分は「超!ごっつぁんです」状態……(*^O^*)。「やっぱこの列車に乗らなきゃ、遠路はるばるジャカルタに来た意味ないよなぁ~」という感じです。そういえば、ボゴールの手前で右手車窓に広がる、モスクのミナレットがところどころに輝く古い住宅街の眺めもいとをかし……。デポックの次・チタヤム駅前に広がる、河の畔の美しい街のパノラマともども、いずれゆっくり眺めてみたいところです。
 何はさておき終点のボゴールにて、客扱いを終えて早々に折り返して行く8608Fを、内心で「ありがとう!」と念じつつ撮影したのですが……あれれ?デハ8608に派手なスカートがない! その後デポック駅でも、ボゴールへと駆け上がって行くデハ8608を後追い撮影しつつ、「やはり8500系はスカート無しが一番イケてるよなぁ……」と暢気な思いに耽っていたのですが、私の帰国直後にジャカルタを訪問されたKucing kampung様のレポートを拝見してびっくり仰天! デハ8608のスカートがないのは、直前にデポック駅北の踏切でバスと衝突したためだとか……。そして、運転席右側(向かって左側)の投石避けも破損して無くなっていること、及びマスクの左上部が少々凹んでいることに気づきました……(@o@)。一見無骨な存在にしか思えない巨大派手スカートや投石避けも、実は踏切事故や衝突事故が絶えないジャカルタで8500系の顔をしっかりと守る大事な役目を果たしていることを強く認識させられたのでした……。