朝鮮半島38度線の北では恐らく今日あたりに労働党党代表者会なるものが開かれ (明日が党創建記念日ということですので多分そうでしょう)、ジジイ (金日成) そっくりの青二才が「偉大なる革命の血統」なるものの後継者となる云々が言われております。「そんな作り話にも程がある革命聖人ごっこをしているヒマがあったら、人民にメシを食わせるために一刻も早く中国の真似をして開放政策をやれよ」と思うのですが、せっかく連結させた南北間の鉄道も貨物列車の小運転ですら運行再開の見込みはなく、旅客列車の直通運転に至っては全く目処が立たないのは困ったものです。複線電化とともに主要駅に副本線が整備された京義線を、中国国鉄客車を使った北京からの直通列車や、ソウル~平壌間を結ぶセマウル (?) や北朝鮮客車が行き交うのを、一端の撮り鉄として楽しみにしているのですが……。
いや、やっぱり一番良いのはさっさと崩壊してもらうことでしょうか。最近刊行された週刊朝日Mook『鉄道シルクロード旅行』をパラパラと見ておりますと、何と外国人は絶対乗車不可な一般座席車の車内写真が掲載されており(日本の43系客車に似た外観の急行用客車と思われます)、木目化粧板が貼られた暗~い雰囲気のボックスシート車内に思わず「乗りてぇ!」と叫んでしまいましたので……。取材が出来たのはまさに北に「友好的」なA新聞ならでは?と思われますが、とにかくダークグリーンのボロ客車や怪しいEL・近郊電車の宝庫であると思われる北で自由に鉄活動が可能になる日が待ち遠しいものです。
さて、そんな朝鮮半島の鉄道事情のうち、いま一番ホットな (?) 話題と言えば、思いもかけず鉄道雑誌が創刊されたことでしょうか。その名はズバリ『Railers』と称し、いつもお世話になっております「ぱれっと」様がこの夏韓国で乗り鉄旅行を楽しまれた際に本屋で鉄道関連書籍・地図を物色され、たまたま平積みになっていた光景に大いに仰天されたそうです。この雑誌、さすがに韓国ネタばかり載せてしまっては早々にネタが尽きてしまうためか、日本をはじめ諸外国の鉄道事情の扱いにも余念がない内容とのことですが (今度ぱれっと様とミニオフ会をするついでにこの雑誌を受領することになっており、私自身はまだ雑誌公式HP以外直接目にしておりません ^^;)、ネットで見かける韓国人「鉄」サイトを見ておりますと、総じて日本の鉄道事情への関心も非常に高く (この点は、自国ネタだけではネタ切れに陥りかねない台湾と似ているような気がします)、まぁ読者サイドからの不満はないのでしょう。むしろ日本の鉄道事情は、韓国語で得られる情報がこれまで恐らく少なく、日本語を勉強して日本から直接仕入れる必要があった (?) と思われ、これからは韓国語ダイレクトで詳細に知りうるという点で福音なのかも知れません。
しかし問題は……やはりどう考えても韓国における鉄道趣味はまだまだマイナーなため、果たして3号雑誌で終わらず永続するのかどうかということ。韓国ではとりあえず、鉄道建設と鉄道車両開発製造による国土改造・国際競争力強化を目指すべく、2020年を目処に国内主要都市間の移動時間を1時間半とする旨がブチ上げられ(『朝鮮日報』日本語版サイト・9月2日記事「KTX・全国を1時間30分で連結へ」)、民主党の支離滅裂な交通政策のためにますます鉄道ネットワークがジリ貧に向かいかねない日本から見ればうらやましくなるほどの政府主導による鉄道立国政策が推進されようとしています。しかしそれは同時に、趣味的な奥深さを持つ既存の鉄道車両・設備が加速度的に打ち捨てられ、鉄道シーンが至って単調になりかねないことを意味しているようにも思われます。セマウルとムグンファがなくなった後の韓国国鉄について、果たしてKTX・ビチュロ・ヌリロやロテム顔通勤電車だけで楽しめるか?雑誌のネタが続くのか?……と問われれば、個人的には消極的な印象でありますが (^^;)、「いやそっちの方が良い」という新しいファン層が今後の韓国鉄道趣味を支えて行くことになるのでしょうか。
でもやっぱりセマウルとムグンファだろう……と思う私。そこで、ぱれっと様からメールで頂いた龍山工場の画像 (龍山駅から西の市街に向かう跨線橋にて呆気なく撮影可) にて、又してもセマウル動車やムグンファ電源車に大量の廃車解体待ち (?) が発生しているのを確認し、「嗚呼……こうしてますます韓国国鉄からシブい車両が消えて行く……」と悲しい気分になったのでした。もっとも、セマウル動車は全車ブルーではなく緑で、昨年の夏に撮影した車両が単に位置を変えただけであれば良いのですが、昨年秋にもここを訪れておられるぱれっと様によりますと、昨年秋の時点ではセマウル動車は一旦姿を消していたようですので、やはり新たな廃車追加……? うーむ。いつ登場するとも知れない将来の平壌直通列車に登板させるため 、保留車としてこまめに位置を変えているのであれば良いのですが。ムグンファ電源車も北朝鮮・中国・ロシアへの直通客車列車用として保留とか……。
とまぁこんな感じで妄想が止まりませんが (^^;)、とにかくもこれらの長期放置車に再び活躍の舞台が与えられるよう祈るばかりです。情報&画像をご提供下さったぱれっと様には心よりお礼申し上げます m(_ _)m 近いうちに一杯やれるのを楽しみにしております!