地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

貨物廃止から約半年の岳南 (上) 7000形

2012-09-10 00:00:00 | 地方民鉄 (東海道)


 早いもので、3月の全国鉄道ダイヤ大改正シーズンから約半年。そろそろ半年後の来年3月に起こる大変動が気になるところですが、いっぽうで半年前に大変動してしまったところがその後どうなっているのかも気になるところです。
 そこで先日、駿河国に少々用事で出かけたついでに、岳南鉄道にちょこっと乗って参りました。周知の通り、岳南といえばJRFの車扱貨物全般に対する大鉈、そして荷役扱駅数の縮小整理の直撃を受け、去る3月に最大の大黒柱であるはずの貨物輸送を終了せざるを得なくなり、その後は旅客一本で必死の生存策を模索しているところですが、富士の南麓をトコトコ走る京王井の頭線3000系に魅力を感じるファンとしても、是非たまに訪れて僅かばかりでも運賃収入に貢献したいということであります。



 まずは吉原駅にて例の如く硬券切符をゲット♪ 最早、始発駅から乗る場合必ず硬券切符であるということ自体、産業文化遺産モノではないでしょうか♪ 今回は土曜日でしたので400円の一日乗車券を購入しましたが、去る7月からは平日用として700円の一日乗車券が登場したのも嬉しい話です。平日訪問で、岳南原田・比奈・岳南富士岡……と途中下車するごとに100数十円を払うのもかなり面倒でしたから……。
 それはさておき、モハ7003の車内は何と!発車間際には座席が埋まり、立ち客も出るほどに……! もっとも、ほとんどの客は本吉原までに下車し、岳南原田から先まで行くのは地元客数名+18きっぷ消化組と思しきヲタ数名 (私は今回18きっぱーではありません。笑) という空き具合となってしまいましたが、東海道線との連絡さえ良ければ吉原市街との連絡列車としての機能を十分果たしている光景にはホッとさせられます。
 本吉原から先の利用者の少なさは……工場地帯ゆえ、そしてクルマで東田子の浦へ出た方が早いという問題ゆえ、岳南鉄道にとって頭が痛いところかと思われますが、そんな状況を打開するため、今のところ岳南江尾~東田子の浦間にて、平日朝夕のみ連絡バスの実証運行が行われています (とりあえず今秋までのようですのでご注意を。運賃100円。定期券所持者は無料)。これは果たして将来のDMV運行への布石となるのか、それとも電車バス乗り換え方式が定着するのか、はたまた余り客が定着しないため雲散霧消してしまうのか……注目したいところです。
 とまぁこんなことを考えながら揺られていると、電車は比奈に到着。その直後、雨屏風の手荒い歓迎を受けてしまいましたが、ひたすら酷暑続きだったこの夏にあっては丁度良い潤いの雨と解釈することにしまして、しかもすぐに止みましたので、少々ヒンヤリ感が漂う富士の裾野の空気にホッとしながら、江尾から戻って来たモハ7003を激写したのでした☆