地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

西武6000系、ついに東横線日中試運転!

2012-09-25 00:00:00 | 都市民鉄 (首都圏)


 副都心線・有楽町線の向こうから東武の電車が東横線にやって来るということは、自ずと小竹向原で二股に分かれた先の西武からも電車がやって来るということでもあり……先日東横線を訪れた際には、西武6000系の日中試運転も始まっておりました!! 田園都市線8637Fでもないのに、青い帯の10両編成が横浜近辺の丘陵地帯をクネクネとやって来るというこの神秘にして不可思議なる光景!! 勿論今のところは南北線と有楽町線の連絡線を介したものでしかありませんが、西武の電車が東急を走るなどということは、少なくとも直通運転が決まるまではおよそ想像の範囲を超えていたものですので、幼稚園児の頃まで毎日電車を眺めまくっていたカーブに西武6000系が迫って来るのをファインダー越しに眺めるにつけ、改めて「世の中、長いタイムスパンで見れば、何がどうなるか全くわからん……」ということを痛感させられます (^^;)。



 確かに奇想天外といえば、東武の電車が東急を走り、東急の電車が東武を走るという東武の半直開始もそうでした。しかし西武と東急の関係というものはそう生やさしいものではなく、かつて伊豆や軽井沢の観光利権をめぐって骨肉の争いが展開されたことを思えば……。その故事は、東急の子会社たる伊豆急が、西武の子会社たる伊豆下田鉄道との激烈な免許合戦を制し、伊豆急の開業記念列車には五島翁の肖像が掲げられた云々……ということからも偲ばれますし、現在でも軽井沢と草津温泉を結ぶ西武高原バスと草軽交通とでは経由する場所が異なり、それが同時に陣地取りの名残を見せつけているのも事実でしょう。
 もっとも、バブルが弾けて以来この方、過剰競争を避けて西武は東急 (そして小田急) との共存共栄へとシフトしているのも確か。たとえば西武高原バスと草軽交通のみならずJRバスも加わる草津温泉~白根火山間は、3社のバスがバランス良い間隔で運行されていますし、他でもない6000系のステンレス車をはじめ、新101系以降多くの電車が東急車輌に発注されてきました (6050番台はアルミカーにつき日立製ですが……^^;)。そして、駅や車内で互いの沿線観光地を宣伝するのも枚挙に暇ありません。したがって、西武の電車が東急の本丸に突っ込むというのは、まさにそんな譲歩と和解の歴史 (?) の延長にあるものと言えましょう (オーバー過ぎ? ^^;;)。
 そんなことを考えながら、元中から折り返して来る西武6000系を待ち、バカ殿様のホワイトフェイスに西日が当たるところを後追い! 幼い頃、この急カーブを曲がって勾配を登って行く電車の行先幕に表れていたのは「渋谷」(ごくまれに元住吉)と決まっていたものですが、これからは清瀬・所沢・小手指・飯能か……と思うと、何やら途方もない距離感がこみ上げて参りますね~(笑)。