地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

183系山陰線特急「たんば」の旅

2010-10-09 00:00:00 | 国鉄型車両


 前回の京都出張からあっという間に時間が経ち、また来週は京都ですので、記憶が薄れる前に整理しておかないと……と焦燥感に襲われる今日この頃です (汗
 さて、JRWはここに来て在来線特急へのテコ入れを強め、約1ヶ月後には「はまかぜ」のキハ181が置き換えられる予定ですが、結局これまで乗る機会がなかった列車に全廃間際に駆け込んでも、多分車内は同業者多数でシラケてしまうだろうと思いまして(特に、敢えて奮発してキロに乗り、「ガラ空きデラックス」さと轟音を同時にまったり楽しもうと思っても、その意図がハズレて車内を同業者がカメラ片手にウロウロしているとしたらイヤ過ぎます・・・)、とりあえず以前六甲道駅で撮影した程度で満足することに。その代わりに、やはり近い将来なくなることが分かっていても当面はほとんど注目されていない (?) お宝的存在として、山陰線京都口の485系改造183系特急を満喫してみることにしました。いやその……JRの特急型車両への興味はふだん余り強くない私ですが、113系撮影のついでに183系にもレンズを向けているうちに情が移りまして……(*^^*)。たとえ賑やかな屋上機器を失い、カフェオレに姿を変え、黄金時代と比べて身をやつそうとも、老骨鞭打って全力疾走する姿は涙ぐましいものがあります。
 とりわけ個人的にハートを射貫かれたのは、全室グリーン&3列シートのクロ183・2700/2750番台の存在♪ 普通車の窓割りのまま、「はるか」と同じものと思われる超デラックスな椅子が余裕のシートピッチで配列されているさまは、京都駅の山陰線ホームで闇の中の金脈の如き光を放っているようにも思われます (ちょっと表現が違うか ^^;)。



 また、山陰線は複線化区間を除けば山深い隘路の連続でスピードがさほど出ませんので、100kmに満たない京都~福知山間を乗るだけでも所要時間は1時間20分程度。そういう条件はちょっとお試し気分でグリーン車の旅を楽しむのに最適であるようにも思われます。普通車指定席との差額はだいたい首都圏の普通列車グリーン車に乗る分の料金に均しい金額となり、それでいて「走るんですサロ」のチープな乗り心地とは比較にならない喜びが……♪
 というわけで、グリーン特急券を購入のうえ、朝8時51分に京都を出発する「たんば1号」をワクワクしながら待っていたところ……やって来たのはクロ183-2751! 北近畿エリア183系クロの中でも唯一、489系から改造された車両です (確か)。恐らくかつては碓氷峠を越えて首都圏と北陸の間を往復していたと思われる車両が、いまこうして地域ローカル特急の中の華(=全室クロ)として最後のご奉公中……というストーリーがやけにジーンと迫って来ます (^^;)。そして……いざふっくらゆったりシートに腰を沈めて、う~ん満足♪ 乗客は他に、如何にも福知山まで出張に行くと思われる中小企業の社長っぽい紳士だけというのも最高♪
 さて、福知山へ向けて発車した「たんば&まいづる1号」、当初は先行する235Mに頭を押さえられていたものの、嵯峨嵐山からは一気にスピードを上げてあっという間に保津峡通過! そして馬堀からは実りの秋とニュータウンが同居した盆地を快走! しかし……並河付近で踏切の非常ボタンが押されて緊急停車し7分停車……(T_T)。福知山から先の計画に致命的に響きかねないということで「終わったな……」という暗い気分に叩き落とされ、一時はクロの乗り心地を楽しむどころではなくなってしまいましたが、その後は単線区間に入るに及んで「たんば1号」を最優先で走らせる措置がとられたようで、遅れは5分程度まで縮小しました。2通り用意していた福知山からの計画のうち、一方は接続が間に合わずご破算となりましたが、もう一方は辛うじて大丈夫なことが分かりまずは一安心……(滝汗)。
 それにしても園部から先の山越えは、関東人からみて西武秩父線をパワーアップさせたかの感がある風景が続き、本当に素晴らしいの一言。西日本の山の特徴は、連綿として非常に奥深いながらもそれほど標高がないため、森閑とした雰囲気と人間の活動が同居しうるところにあると思うのですが、まさにそのような美しい山里をデラックスなクロの車内から眺めると……まさにDiscover Japan!という気分に浸ることが出来ます (一体何時のキャッチフレーズやねん ^^;)。いやホント、外国をウロウロするにつけ、日本は本当に四季の微妙な移ろいに満ちた美しい国だと思います……。
 とまぁそんなことをつらつらと思いながら、1時間20分のくつろぎの (?……いや遅延したのでハラハラもの) 旅を終えて福知山で下車。ドアが開いた後は猛ダッシュでしたので、クロの余韻を楽しむどころではありませんでしたが (汗)、再び福知山に戻ってきたところちょうど京都までもう1往復を終えたクロ183-2751がやって来まして、福知山城を入れてその雄姿を決めることが出来てガッツポーズ (1枚目。笑)。翌朝は、京都で「たんば&まいづる1号」に変わる「まいづる2号+たんば4号」を京都口で撮影したのですが (2枚目)、なかなかヘンテコ貫通路顔には当たりませんなぁ (^^;)。
 こんな感じでいっそう思い出深くなった北近畿エリア183系、今後全廃が近づいてヲタ殺到となる前に、もう少々楽しんでおきたいものだ……と思っています。

関西のスラトゥス・ティガ (4) 阪和線ブルー

2010-10-08 00:00:00 | 国鉄型車両


 環状線でオレンジとウグイスの混色を楽しんだ後は、ルンルン気分でもうひとつの103系の楽園である阪和線へ……と申し上げたいところですが、混色編成をもう一度撮りたいと思い、芦原橋にてカーブを切って入線するシーンを狙ったところ……外回りの201系にカブラれまくり (泣)。その後天王寺駅の阪和線ホームに隣接する立ち食いうどん・そば屋にて「和風ラーメン」なるものを食べたところ、単純に薄味の関西風うどんつゆに細めのうどんのような麺が入っているだけのシロモノ。店のオバチャン曰く「胡椒を振ってね☆」とのことでしたが、なるほど、唐辛子ではなく胡椒の味で辛うじてラーメンっぽくなるという仕掛け……(苦笑)。
 そんな不運続きに見舞われたミナミの昼下がりも、いざスカイブルーの103系に乗ってしまえば気分はハッピー♪……と思いきや、たまたま天王寺で目の前に停まっていたのは205系1000番台 (苦笑)。アンラッキーも二度あることは三度あるようです (汗)。しかし……次も下手をすると205系かも知れない中、サウナ状態のドーム状駅舎の中で待ち続けるのも体力と気力を保つ上でリスクは極大。そこで、「まぁ103系と比較するから205系がアンラッキーに思えるのであり、今や205系もデンジャラスな走行音ゆえ《当たり》クラスだろう」と思い直してそのまま乗車。発車後まもなくすれ違った普通は103系でしたので「しまった」と思いつつも (^^;)、まずはロケハンに努め、適当なところを見計らって撮影に突入したのでした。



 いやーそれにしても、たまに205系が混ざるとはいえ、スカイブルーの103系が確実にジャンジャンやって来ることは、何という幸せなのでしょう! (*^O^*) この日は結局、堺での午後2時のアメダスデータが最高37度を叩き出し、とにかく立っているだけでも滝のように汗が噴き出しまくるため、スポーツドリンクをラッパ飲みせずにはいられないという極めて過酷な撮影条件でしたが、6~8歳の頃根岸線沿線に住んでいた私としましては、ファインダーの中で103系を追いかけているときだけは酷暑も何処吹く風、喜悦の境地に浸っていたのでした……。
 阪和線の103系は環状線のような大規模更新を受けた車両が少なく、中には未だに登場時の薄緑色化粧板内装であるため、車内に一歩踏み込むと薄暗~い雰囲気がビンビンに漂ってくるクハが存在します。そんな点も、103系ファンにとってはこの上もなく嬉しい話です (*^^*)。また、片町線の短編成分割併合用としてモハ103を改造したクモハ103 2500番台のうち、播但線3500番台への改造を免れて2500番台のままとなっている車両がごく少数ながら存在し (2枚目の画像の最後部)、ユニット窓でありながらクモハであるという首都圏では無縁だった姿に思わずハッとさせられます (そのうち薄曇りの日に撮りたい……)。ただ、行先幕の字が小振りなものに改められた編成が多く、デカ字を保つ編成はなかなかやって来ないのは少々残念ですね~(今回アップ分はデカ字をチョイス♪)。
 そんな103系が、鉄道省による戦時買収から60数年を経ても未だに私鉄的雰囲気が濃厚に残る設備の中を、ガンガン追いかけて来る特急や221・223系快速に煽られつつ必死に (?) 走っているのが阪和線の日常ですが、ここに来て激変の予感……。JRWが放つ新型225系は、日根野電車区にも集中的に120両程度 (確か) 配置されるそうで、和歌山エリアで運用される日根野の113系や117系に変動が起こるのではないか……ということが真っ先に脳裏をよぎるのですが、103系6・8連の快速・区間快速などにも225系投入の余波が及び、あるいはさほど混まない各駅停車も3扉転換クロス車とされて、103系が集中的に廃車になるとしてもおかしくないような気も……。まぁいずれにせよ、103系が他の車種と比べて相当古びた印象を与えるのも否めませんので、楽園の最後の栄華を楽しむとしたら今のうちでしょうか。

タキの楽園・根岸製油所の閉鎖計画浮上

2010-10-07 00:00:00 | 貨物列車 (臨海・専用線)


 昨日の午後、仕事をしながらチラリと『読売新聞』Webサイトをチェックしていたところ、心の底から激しい驚きと動揺がこみ上げて来ざるを得ない記事が……。今年に入って新日本石油と新日鉱ホールディングスが合併することで設立されたJXホールデングスは、日本国内最大級の石油精製能力を誇る根岸製油所を2020年までに閉鎖することを検討しているとのこと……。景気の低迷・省エネ技術の進展・化石燃料に代替するエネルギーの開発といった要因が、各地に散らばる製油所の閉鎖につながっていることは周知の通りですが、根岸にはいわば「規模の経済」で様々な部門を集約し、最新鋭の技術で効率良く大量生産を行っているものと素人目には見え、少なくとも根岸は将来にわたって日本の石油生産の一大総本山として君臨し続けるものとばかり思っていましたので、まさに寝耳に水です……。



 そして鉄道趣味者として当然のように真っ先に思い浮かべるのは、もし本当に閉鎖ということになった場合には膨大な発着量を誇る根岸線タキが全て消えてしまうのだろうか……ということ。古参のD504 (今回の画像) やNDD56といったスイッチャーが休みなく動き回り、ELに牽引された長大タキ編成が入れ替わり立ち替わり発着し、構内が無数のタキ1000・43000で埋め尽くされているという光景は、まさに工業国家日本を象徴する光景であるはずです。そして私の場合、親戚が根岸駅のすぐそばに住んでいることから、幼少時には親戚を訪ねるたびに線路脇の公園のジャングルジムにかじりつき、EF15が率いる黒タキの発着シーンを飽くことなく眺め続け……。根岸は私にとってまさに、鉄道趣味のかけがえのない原点のひとつです。それがなくなるかも知れないということは、単に「諸行無常」を痛感させるような原風景の消失を意味するのみならず、化石燃料に支えられた工業国家としての日本の近代がこれで完全に終わり行くことを意味しているのだろうか、と思います。
 もちろん、まだ決まった話ではありませんし、もしなくなるとしても今すぐの話でもないでしょうから、慌てて根岸線や高島貨物線のタキを撮る必要もないのでしょう。とはいえ……これは鉄道貨物界&趣味界を震撼させる話題であることは間違いないはず。かりに全ての施設が撤去されたあとには何を作るのか、ということも将来的には問題になるのでしょうが、超大型タンカーが停泊可能な条件を活かし、釜山にタメを張れる一大コンテナ港を建設するのか(鉄道をコンテナバースまでダイレクトに乗り入れ可とすればなお良し、でしょうか)、それとも最先端工業の誘致か、一大マンション開発か、砂浜の復活か……。鶴見線沿線が産業空洞化気味であることも含めて、京浜工業地帯の大幅なリニューアルを国策として推進する時期にさしかかっている、ということなのかも知れません (もしそうだとしてもM主党がそれを真面目にやるとはとても思えないのですが --;)。

【10.8注記】『日本経済新聞』朝刊に載っていたJXホールディングスへのインタビュー記事によりますと、減産計画はあるものの、首都圏に石油を供給する拠点である根岸を閉鎖することは全く考えていないとのこと。まぁそりゃそうだよな……と思いたいところですが、果たして今後は?

東武東上線池袋口8000系の激減を痛感する

2010-10-06 00:00:00 | 大手民鉄 (東武)


 東急で8000系列の変動が続く中、そういえば東武も東上線を中心に8000系の廃車が進む今日この頃……。とはいえ、多忙つづきで「体内東武ん」が著しく減少する中 (田都で50050系に乗っても回復はしません -o-)、そういえば東上線に乗ったのも3月の雪に見舞われた秩父を訪問した際以来となってしまっており、最近の状況については完全に疎くなっておりました。そこで昨日は、少々時間が出来たのを良いことに池袋からプチ非日常の東上線エクスカーションへ! (^^;) 減ったとは言え大所帯を誇る8000系だけにまだまだ多数やって来るだろう……という期待とともに撮り鉄に興じようと思ったのでした。しかし……とにかく来ない!! (号泣)



 結局昨日の成績は、池袋口で約1時間少々粘ったにもかかわらず、8141+8171Fの10連1本が姿を現したのみ……。ついこの間まで、8000系は粘るまでもなくいくらでもやって来たはずですが、余りにも無残な激減ぶりにただただ絶句するしかなかったのでした……(T_T)。その一方でまざまざと見せつけられたのは、50000系の急増という鉄の事実……。3月に池袋から小川町まで落成ホヤホヤの51004Fに乗り、増備再開に驚かされたものですが、昨日はいつの間に51008Fが走っていることに驚愕したのみならず、焦って帰宅後ネットで調べてみたところ、51009Fも既に就役しているとか。道理で50000系や50090系が多数闊歩しているわけですなぁ……。とくに、50000・50090系が池袋~成増&志木普通運用に多数入ることで、池袋口が50000系列の天下になりつつある現実が一層強烈な印象として迫って来ます。まぁエネルギー効率的には適切な運用方法であることは確かですが、東上線10連の地上編成は50090系を除き形式によって運用が分かれていたっけ?と思うにつけ、たまたま自分が超貧乏くじを引いただけなのかも知れず……(滝汗)。
 というわけで、改めて訪問する際にもっと多くの編成が運用されていればなぁ……と思いつつ、和光市から副都心線に乗って退散したのですが、そういうときに限って和光市駅に池袋行8000系急行が到着~(泣)。自分は「たまたま」ではなく本質的にくじ運が悪すぎる人間なのだ、ということを再認識させられつつ、硬座車 (メトロ10000) の客となったのでした……。
 とまぁ戯言三昧でオチも何もありませんが、東上線は2012年度に保安機器の一新を図っているとか。8000系もそれを意識して大量廃車させられていると思われ、1時間に1編成現れただけでも良しとすべき時期に突入しているのかも知れません。

東急恩田通信・秩父7502F組成&銀一色編

2010-10-05 00:00:00 | 大手民鉄 (東急)


 かねてから東急テクノシステムで進められていた8090系の秩父7500系化改造も、とりあえず7502Fの甲種輸送日程が鉄道雑誌で明らかになるなど、ひとまずの佳境を迎えつつあります。通常、甲種輸送で地方私鉄へと旅立って行く車両は、事前に余裕を持って長津田検車区に送られますので、そのスケジュールを考えればそろそろ7502Fとなる3両も「帯貼り→工場本屋に取り込まれて落成検査」という頃合いだろうと思いまして、昨日の午後は仕事が早く終わったため久しぶりに恩田に寄り道してみたところ……ををっ、まさに予想通り! これまでバラバラだった車両が正式に3連を組んでおり、7502Fここに誕生! そして、残る作業は各種表示器を装備して帯を貼るのみとなっているではありませんか!



 秩父帯を貼る前の銀一色まっさらな姿といえば、これまで7001Fを撮影したことがありますが、7500系・7501Fについては結局未撮影でしたので、いや~こうして7502Fで撮影することが出来て本当に嬉しいです♪ 既に帯無し状態の8090系→秩父7500系はテクノ内での改造中にも見られたものですが、いざこうして3連を組んでみると異様に精悍な雰囲気が漂いますね……(*^O^*)。思わずGM板キットで模型化したいという衝動が沸き立って来ます (既にナンバーと秩父社紋が掲げられた状態ですので、立派に超過渡期モデルとして成り立つわけで……^_^;)。
 とはいえ、この銀一色はあくまでかりそめの姿。恐らく一両日中には帯貼り作業が進められるものと思われ、今後再びこの姿を拝むことが出来るとすれば、7503F以降の編成が落成を控えたその都度の1~2日程度でしょうか。う~む、何ともダンディーでアブナイ魅力が香り立つ激レア編成美シーンであります……。
 ちなみに、7503Fになると思われる車両はまだテクノ側で最後の追い込み中。クハ7703になると思われるクハ8086はナンバーが古いまま残っています。7502Fが恩田から旅立つのを待ってテクノ側から工場本屋側に移されるのでしょうか? いっぽう、恩田には新たに8093Fが入場しており、やはりバラされて秩父向け改造を受けることになるのか、それとも5連で入場し大井町線に復帰するのか、当面目が離せない状況が続きそうです(昨日の時点ではまだ5連)。