~収録作品~
鈴虫
ケモノ
よいぎつね
箱詰めの文字
冬の鬼
悪意の顔
~感想~
道尾秀介が短編を書いたらこうなるだろうなあ、という予想の範疇を一歩も出ない無難な作品集。
全編にSという人物がからむが、同一人物というわけではなく、一冊の中で統一性を持たせるための存在である。また各作品が微妙にからむのだが、そのからみ方もまた中途半端で、特にきわだった効果は上げていない。
半端といえば幻想にも現実にも転ばない立ち位置もそうで、非現実的な解釈がつきそうなところで、わざわざ現実的な(だが明確ではない)解決をきっちりとつけてしまい、どっちつかずの印象を受ける。
ひさびさにホラー色の濃い作品ばかりで、真備シリーズを読みたくなるのはいいことだが、読んで損はないが得もしない一冊である。
どうでもいいがこの出版社はかつて歌野晶午の『ハッピーエンドにさよならを』に「初の短編集」という頭の痛くなる宣伝文句をつけたが、今回も「連作短編集」という大嘘はつくわ、『ジョーカー・ゲーム』程度の薄い本に「徹夜しました!」なんて香ばしい感想をのたまう書店員サマ(笑)のありがたい(笑)感想(笑)を例によって帯いっぱいに偏執的に並べているのだが、早くどうにかしてくれないものだろうか。
09.2.4
評価:★★★ 6
鈴虫
ケモノ
よいぎつね
箱詰めの文字
冬の鬼
悪意の顔
~感想~
道尾秀介が短編を書いたらこうなるだろうなあ、という予想の範疇を一歩も出ない無難な作品集。
全編にSという人物がからむが、同一人物というわけではなく、一冊の中で統一性を持たせるための存在である。また各作品が微妙にからむのだが、そのからみ方もまた中途半端で、特にきわだった効果は上げていない。
半端といえば幻想にも現実にも転ばない立ち位置もそうで、非現実的な解釈がつきそうなところで、わざわざ現実的な(だが明確ではない)解決をきっちりとつけてしまい、どっちつかずの印象を受ける。
ひさびさにホラー色の濃い作品ばかりで、真備シリーズを読みたくなるのはいいことだが、読んで損はないが得もしない一冊である。
どうでもいいがこの出版社はかつて歌野晶午の『ハッピーエンドにさよならを』に「初の短編集」という頭の痛くなる宣伝文句をつけたが、今回も「連作短編集」という大嘘はつくわ、『ジョーカー・ゲーム』程度の薄い本に「徹夜しました!」なんて香ばしい感想をのたまう書店員サマ(笑)のありがたい(笑)感想(笑)を例によって帯いっぱいに偏執的に並べているのだが、早くどうにかしてくれないものだろうか。
09.2.4
評価:★★★ 6