小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『ゆきなだれ』泡坂妻夫

2009年03月15日 | ミステリ感想
~収録作品~
ゆきなだれ
厚化粧
迷路の出口
雛の弔い
闘柑
アトリエの情事
同行者
鳴神


~感想~
久し振りの春だから、暖かすぎたんだよ。二十年も解けずに積もっていた雪が、そのためになだれを起こしてしまったんだ。

追悼泡坂妻夫。

純文学真っ青の筆力、情感は言うまでもないとして、どの短編にも発想の逆転や意外性を忍ばせているのがさすが。泡坂妻夫がミステリを選んでくれたことを感謝したくなる。
手持ちの泡坂積ん読本を一気に片付けてしまおうかと思ったが、「ゆきなだれ」を読んでそれももったいなくなってしまった。
読むたびに心に残っていく作品ばかりで、読み終えてタイトルを見返すだけで場面がよみがえってくる。ゆっくりと折にふれて読み進めていこうと思う。


09.2.8
評価:★★★ 6
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