小金沢ライブラリー

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DVD感想―『クローバーフィールド』

2009年03月17日 | 映画感想

~あらすじ~
日本に転勤するロブのために開かれたサプライズ・パーティーのさなか、突如としてニューヨークを何者かが襲う。
友人のハッドが偶然手にしていたカメラだけが、未曾有の事態を克明に映し出していた……。


~感想~
ハンディカメラ撮影によるドキュメンタリー形式といえば「ブレアウィッチプロジェクト」を思い出すが、魔女を怪獣に置き換え数百倍の予算をつぎ込んだのが今作である。
事前情報をほとんど流さず、首を切断された自由の女神の映像だけがシンボルのように公開され、いったいどういう映画なのか興味をひきつけ、まずは企画の勝利。
ハンディカメラの持ち味を活かし、見えそで見えない迫り来る脅威、しかし必要な描写は的確に映し出す腕もお見事。
ハリウッドの常識をかなぐり捨てたラストに、伏線も解決も真相も投げっぱなしの趣向は、鑑賞後にいろいろ語りたくなり、なんとか真相を探ろうとするサイトを渡り歩くのが楽しくてしかたない。
監督は日本の怪獣人気に驚き「アメリカにも怪獣文化を!」と考えたそうだが、ゴジラやガメラのような愛嬌のかけらもないHAKAISYA(でいいのか名前は)は確実に流行らないと思うが、新たな怪獣映画として一石を投じたのは間違いない。
冒頭20分ほどの退屈なホームパーティと、字幕を読んでるだけで酔いそうなカメラ回しにめげることなくお試しあれ。


評価:★★★★ 8
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