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ミステリ感想-『名前探しの放課後』辻村深月

2009年03月08日 | ミステリ感想
~あらすじ~
「今から、俺たちの学年の生徒が一人死ぬ。自殺するんだ」
不可思議なタイムスリップで三ヶ月後から戻された依田いつかは、これから起こる"誰か"の自殺を止めるため、同級生の坂崎あすならと"放課後の名前探し"をはじめる。


~感想~
相性のいい作家というのはいるもので、世間の評価はそれほどではなくても偏愛したくなる作品を毎回書いてくれるのが、僕にとっては辻村深月という作家である。
これも大掛かりなトリックというわけではなく、伏線もそれほど巧みではないし、必要以上に長い分量なのだが、ミステリとして必要ではなくても物語として必要な長大さで、読み終えるやさまざまな場面がよみがえり、非常に読後感がいい。
08年はゲームでは「ペルソナ4」09年では今作と、一生心に残りそうな青春物語に出会えてうれしい限り。
なお、シリーズファンにはサプライズが用意されているが、wikiであっさりとネタバレされているので、僕の二の舞にならないよう要注意。


上巻09.1.30
下巻09.2.10
評価:★★★★★ 10
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