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ミステリ感想-『百番目の男』ジャック・カーリイ

2010年05月07日 | ミステリ感想
~あらすじ~
連続放火殺人を解決し異常犯罪担当部署に配属された刑事カーソンには暗い秘密があった。
だが連続首切り殺人が発生し事件解決のため、カーソンは過去と向き合うことに。
死体に刻まれた奇怪な文字に犯人が隠す歪んだ意図とは、首切りの真相とはなにか。


~感想~
「前代未聞の犯行動機」「空前絶後のバカトリック」という評判を聞いていたが、いやはや全く噂に違わなかった。
全編にわたってアメリカンなキャラたちがアメリカンな会話を交わし、アメリカンな描写とアメリカンな展開がくり広げられるので胸焼け寸前。
デビュー作とあってかストーリーは煩雑で、事件、捜査、恋愛、過去、格闘と詰め込みすぎで目が回る。登場人物も描写も不必要に多い。
しかし若さ爆発の熱血主人公や、狂気に染まった名探偵(?)、癖のありすぎるヒロインと、アメリカンな人格を差し引いてもキャラは魅力的で、最後まで興味を引いてくれる。
で、噂の動機とトリックである。これがすごい。本当にすごい。そして果てしなくバカだ。こんなのを思いつけるのは世界中探しても一人きりだろう。
なんでも映画化の話が持ち上がっているそうだが、どう描いてもバカ映画にしかならないし、一般公開すら難しいと思うのだがいったいどう映画化する気なのだろうか。
想像以上にとんでもないことは保証するが、あまりにもくっっだらないバカ仕掛けなので、取り扱いには要注意である。


10.5.7
評価:★★★★ 8
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