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映画感想―『ウォッチメン』

2010年05月14日 | 映画感想

~あらすじ~
世界を揺るがす事件の陰には“監視者”がいた。ウォッチメンと呼ばれた彼らが今、次々と消されていく。
闇に隠された想像を絶する巨大な陰謀。真実の先に待ち受けるものとは。


~感想~
あらすじがわかりづらいので要約すると、アメコミヒーローが実在する世界で、ヒーローの活動停止が発令され、ヒーローたちの組織が解体されてから数年後、何者かにより元ヒーローが殺害された――というものである。
こう書くと痛快アクションものを想像しがちだが、全くそんなことはなくハードボイルド気味な世界観で、「もしヒーローが実在したら」というIFストーリーを現実に溶け込ませ、社会派気味で重厚気味な映画となっている。
「気味」と何度も念を押したのは、一口で言い表せない猥雑な雰囲気がただよい、別に見たくないヒーロー同士の濃厚な濡れ場だの、全裸の巨大ヒーローが破壊光線でベトコンを殺戮するわくわくベトナム戦争などの描写が、ちゃんと描けばヒーローの光と闇を描いたダークな作品に仕上がったはずの映画を、一気にB級作品にまで引き下げてしまっているのだ。
上映時間も3時間強と必要以上に長く、他ではそうそう観られない題材だけに興味は引くが、観る人を選ぶ惜しい作品である。


評価:★★ 4
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