~収録作品とあらすじ~
白幽霊
白い幽霊が現れるという路地のそばで通行人が目撃したカーテンからのぞく人影。
人影はカーテンを四角く切り取っており、まさにその部屋では男が刺殺されていた。
禁区
白幽霊を見て以来、呪いを恐れる女子高生が部室で殺される。
彼女の死体にはまるで白幽霊を真似るように大量の石灰が掛けられていた。
交換殺人
飲み屋で持ちかけられた交換殺人。その標的だった男が殺されるが自分は手を下していない。
このままでは交換対象だった妻が殺されてしまうと危ぶみ、夫は木更津悠也に犯人探しを依頼する。
時間外返却
幽霊に導かれるように発見された、1年前に殺された死体。
被害者が失踪した翌日に時間外返却されたビデオテープには血痕が残っていた。
名探偵・木更津悠也に持ち込まれる数々の難事件。
売れない推理作家・香月実朝を助手に木更津の名推理が冴え渡る。
~感想~
本棚の整理ついでに読了済の傑作を再読。内容は9割覚えていないが傑作だった記憶だけはある本作、再読でもやはり傑作だった。
刊行から10年経っているので少々ネタを割るが、やはり本作の白眉は木更津と香月の関係性にある。
タイトルに名前を冠せられた探偵役である木更津を差し置き、香月が主役といって過言ではなく、他に例のない微妙な立ち位置が非常に面白い。本作を先に読んでも致命的なネタバレはないが、彼らの初登場作である「翼ある闇」を読んでおけば百倍楽しめるので、ぜひお勧めする。
また本作独自のそういった特色を取り払い、単なるミステリ短編としてもいずれ劣らぬ秀作ぞろいである。
特に島田荘司御大が提唱し、自ら寄稿を求めたアンソロジー「21世紀本格」へ寄せた「交換殺人」の素晴らしさたるや!
御大は科学の融合とか21世紀ならではの何かを求めたのだろうが、そこに科学もへったくれもない古色蒼然たる「交換殺人」を堂々と提出し、しかもそれが年間ベスト級の傑作なのだから麻耶は男前すぎる。
もう単なる一ファンのつぶやきだが、続編出ないかなあ。
再読:14.11.10
評価:★★★★☆ 9
白幽霊
白い幽霊が現れるという路地のそばで通行人が目撃したカーテンからのぞく人影。
人影はカーテンを四角く切り取っており、まさにその部屋では男が刺殺されていた。
禁区
白幽霊を見て以来、呪いを恐れる女子高生が部室で殺される。
彼女の死体にはまるで白幽霊を真似るように大量の石灰が掛けられていた。
交換殺人
飲み屋で持ちかけられた交換殺人。その標的だった男が殺されるが自分は手を下していない。
このままでは交換対象だった妻が殺されてしまうと危ぶみ、夫は木更津悠也に犯人探しを依頼する。
時間外返却
幽霊に導かれるように発見された、1年前に殺された死体。
被害者が失踪した翌日に時間外返却されたビデオテープには血痕が残っていた。
名探偵・木更津悠也に持ち込まれる数々の難事件。
売れない推理作家・香月実朝を助手に木更津の名推理が冴え渡る。
~感想~
本棚の整理ついでに読了済の傑作を再読。内容は9割覚えていないが傑作だった記憶だけはある本作、再読でもやはり傑作だった。
刊行から10年経っているので少々ネタを割るが、やはり本作の白眉は木更津と香月の関係性にある。
タイトルに名前を冠せられた探偵役である木更津を差し置き、香月が主役といって過言ではなく、他に例のない微妙な立ち位置が非常に面白い。本作を先に読んでも致命的なネタバレはないが、彼らの初登場作である「翼ある闇」を読んでおけば百倍楽しめるので、ぜひお勧めする。
また本作独自のそういった特色を取り払い、単なるミステリ短編としてもいずれ劣らぬ秀作ぞろいである。
特に島田荘司御大が提唱し、自ら寄稿を求めたアンソロジー「21世紀本格」へ寄せた「交換殺人」の素晴らしさたるや!
御大は科学の融合とか21世紀ならではの何かを求めたのだろうが、そこに科学もへったくれもない古色蒼然たる「交換殺人」を堂々と提出し、しかもそれが年間ベスト級の傑作なのだから麻耶は男前すぎる。
もう単なる一ファンのつぶやきだが、続編出ないかなあ。
再読:14.11.10
評価:★★★★☆ 9